2011 Fiscal Year Research-status Report
小児における受動喫煙の科学的実態調査およびがん予防の効果的研究
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23591514
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Research Institution | Gunma Paz University |
Principal Investigator |
井埜 利博 群馬パース大学, 保健科学部, 客員教授 (60138261)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 環境 / 社会医学 / 分析科学 / 酸化ストレス / 癌 / 受動喫煙 |
Research Abstract |
目的:熊谷市での受動喫煙検診の目的の一つである検診により両親への禁煙動機づけに役立っているかを検討する為アンケート調査を行った。方法:対象は熊谷市17中学校の2年生1414名の保護者。この保護者の児童は2007年度小学4年生時に受動喫煙検診を受診した。アンケート調査は各中学校へ配布され両親2人につき1枚の調査票に記入。小学4年生時の児童の尿中コチニン濃度と両親の喫煙状況との関連性も調査した。結果:回収率は99.6%「小学4年生時に喫煙していたか」は、父親「はい」715(54%)「いいえ」612(46%)で、母親「はい」278(20%)「いいえ」1109(80%)であった。そのうち「まだ喫煙している」は父親61.1%、母親45.3%「節煙した」は父親14.5%、母親29.5%「一時禁煙した」は父親4.1%、母親4.5%「禁煙した」は父親17.5%、母親16.9%であった。禁煙方法は、90%-91.9%が自分でやめたと回答し、禁煙外来への受診は5.8%、4.8%であった。「禁煙できたのは受動喫煙の影響か」との質問は、父親母親それぞれ87.9%、84.8%が「いいえ」と回答。小学4年生時の尿中コチニン濃度と喫煙状況との関係は両親ともに喫煙>節煙>一時禁煙>禁煙の順に高かった。また全ての両親に対して受動喫煙が禁煙に役立っているかどうかは、喫煙している父親のみ役立っていると回答したのは38.8%と低かった。小学4年生の受動喫煙検診時の両親の喫煙率と現在の喫煙率を比較すると、父親は53.9%から44.0%へ、母親は20.0%から17.1%へ低下。また両親の受動喫煙検診に対する意見は検診に対し肯定的な意見と否定的な意見とに別れた。結論:受動喫煙検診は児童個々の受動喫煙の実態を調査する手法としては満足した成績が得られたが、両親の禁煙動機づけをもたらすには更なる改良が必要であると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり研究結果が得られていると思われます。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き受動喫煙検診を継続的に実施するため、学校および幼稚園をはじめ児童や保護者の協力は必要不可欠である。さらに地域の喫煙率の低下に繋がるよう、行政、医師会などと協同していかなければならないと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
尿中コチニン測定の値により何名かを対象に、酸化ストレスの標準的マーカーである8-OHdGの測定を予定している。また本研究内容を様々な分野の方に広めるには、国内および国際学会や講演会等への参加も重要である。そのために必要な諸経費、本研究に必要な物品の購入等に充て、昨年度に引き続き研究を円滑に遂行できるよう努めていきたいと考えている。
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Research Products
(13 results)