2013 Fiscal Year Annual Research Report
小児難治性固形腫瘍に対する同種ナチュラルキラー細胞による抗腫瘍効果
Project/Area Number |
23591532
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
合井 久美子 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (70324192)
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Keywords | 小児固形腫瘍 / NK細胞 / GVT |
Research Abstract |
進行期の神経芽腫、横紋筋肉腫、骨肉腫などの予後は集学的治療の進歩にも関わらず未だ不良である。固形腫瘍に対する同種移植例は世界的にも少ないが、一部でgraft-versus tumor(GVT)効果について報告が散見される。近年、NK細胞抑制性受容体であるKIRリガンド不一致移植において、NK細胞による移植片対白血病効果が報告された。本研究では、同種末梢血、臍帯血由来のNK細胞KIRリガンド不一致ドナーの小児難治性固形腫瘍に対する影響を検証し、難治性小児固形腫瘍に対する臍帯血を含むKIRリガンド不一致移植ドナーの有用性とNK細胞による抗腫瘍効果の機構を明らかにすることで、合併症の少ないミニ移植をベースとしたNK細胞療法によりこれら疾患の治療成績の向上をめざすものである。 我々は初めに神経芽腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、悪性ラブドイド腫瘍(malignant rhabdoid tumor,MRT)細胞株におけるNK細胞受容体リガンドの発現を検討した。その結果、HLA class1の発現は一般に神経芽腫で低値である一方、骨肉腫細胞株、MRT細胞株では高く、横紋筋肉腫は細胞株により様々であった。NK活性化受容体のリガンドであるULBP,MICA/Bの発現も骨肉腫、MRT細胞株の一部で認められた以外は全体的に低値であった。一方、NK細胞の活性化副受容体である接着因子DNAM-1のリガンドは一部の神経芽腫細胞を除く、全ての細胞株で高発現していた。次に同種NK細胞による抗腫瘍効果を検討したが、末梢血NK細胞による細胞傷害活性を測定したところ、MRT細胞株および一部の神経芽腫細胞株で著明な生細胞比率の低下が認められたが、HLA-C groupのミスマッチによる効果はin vitroで末梢血、臍帯血NK細胞ともに明らかではなかった。
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