2011 Fiscal Year Research-status Report
小児急性リンパ性白血病の微小残存病変を用いた白血病幹細胞特性解析の試み
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23591539
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
出口 隆生 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (70345990)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 小児血液学 / 白血病 / アポトーシス / 微小残存病変 |
Research Abstract |
微小残存病変のモデルとして、白血病の重要な治療薬剤であるステロイド剤、デキサメサゾン(DEX)で細胞死が誘発される急性リンパ性白血病細胞株を選んだ。その培養液中にDEXをごく少量加え、徐々に増加させることで、通常の細胞死誘発濃度1x10-7μmol/Lを上回る1x10-6μmol/Lの濃度でも細胞死が誘発されないDEX耐性細胞株を4株誘導した。親株および耐性細胞株から各々タンパク質やmRNAを抽出し、Bimやカスパーゼなどの細胞死関連蛋白の発現を調べて比較した。親株ではDEXの投与によりBimのmRNAやタンパクの発現が誘導されたが、耐性株では発現は誘導されず、Bimの遺伝子発現調節以前の段階で耐性化が生じていると考えられた。耐性化細胞をDEX抜きで培養を継続したところ、可逆的な性質を示したものは1株に過ぎず、残る3株は半年あまり培養を行っても再び細胞死を誘導できるようにはならなかった。まず、親株・耐性細胞株におけるBim遺伝子プロモーター領域のDNAメチル化プロフィールを調べたが有意な結果は得られなかった。そこで耐性細胞株に対してDNAメチル化阻害剤5-AZAやヒストン脱アセチル化阻害剤(HDACI)SAHAを添加して効果を調べたところ、一定の効果を認めたためDNAメチル化やヒストン脱アセチル化の関与は否定できなかった。現在DEXとの併用効果を更に検討中である。次にBim遺伝子プロモーターのメチル化以外の遺伝子発現調節機構として、近年microRNAの関与が示唆されているため、Bimの遺伝子発現に関連すると考えられているmicroRNAの発現を親株と耐性株間で比較検討したところ、有意と考えられる所見を得た。今後、親株に対してmicroRNA agonisticなmimicを、あるいは耐性株にはinhibitoryなoligoを導入する影響を調査する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モデルとなる感受性・耐性細胞株の樹立は出来たが、DNAのメチル化解析はまだ安定した結果が出せているとは考えにくいため、実験方法、条件を再検討して研究を継続する。HDACIやメチル化阻害剤の検討については、単剤での検討を終えたところであり、併用療法における検討は未だに十分ではなく、次年度以降の課題である。また新鮮検体を用いた検討では、マルチカラー染色を用いてMRDの検出を行うことは可能となったが、実際にセルソーターFACS Ariaを用いての分離をタイミング良く実施できる症例がなく、ターゲット細胞集団の分離効率や必要細胞数の検討は未だ検討が十分ではない。寛解期骨髄と発症時白血病細胞を混合することでMRDのモデルサンプルを作成して、実験条件を検討していくことも現在視野に入れている。また分離された細胞を用いた解析の準備面では、レーザー共焦点顕微鏡を用いてBimや細胞死関連タンパクの局在の検討は開始したところであり、安定した解析条件を現在検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
ステロイド感受性株と耐性株におけるタンパク発現を、Bimやカスパーゼ以外についても検討を試みる。HDACIやメチル化阻害剤、プロテオソーム阻害剤などとDEXを併用し、細胞死誘導へ与える効果について検討する。引き続きセルソーターFACS Ariaを用いた新鮮細胞からのMRD分離の条件最適化を試みる。寛解期骨髄と発症時白血病細胞を混合することでMRDのモデルサンプルを作成し、実験条件を最適化した上で、治療開始後の細胞の分離を試みる。発症時の細胞とMRD細胞の各々からmRNA分離を試み、Bim遺伝子の発現について比較する。可能であれば、ステロイド添加6~8時間後のmRNAを回収し、Bim遺伝子の発現を比較する。初発時白血病細胞と分離されたMRD細胞から分離されたmRNA(microRNAを含む)を元に作成されたcDNAで他の細胞死関連タンパクやmicroRNAの発現を検討する。可能であれば共同研究先を確保して、遺伝子発現プロファイリングを行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(消耗品費)細胞培養用試薬・血清・培養用フラスコ等消耗品など:23万円、フローサイトメーター試薬・抗体:35万円、RNA分離精製キット・cDNA作成用キット・トランスフェクションキット:25万円、ウエスタンブロット試薬・抗体:27万円、以上、計110万円(旅費)成果発表のための学会(小児血液がん学会など)参加旅費:5万円(その他)成果発表のための投稿・印刷費:5万円
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Flow cytometric analysis of de novo acute lymphoblastic leukemia in childhood: report from the Japanese Pediatric Leukemia/ Lymphoma Study Group2011
Author(s)
Iwamoto S, Deguchi T, Ohta H, Kiyokawa N, Tsurusawa M, Yamada T, Takase K, Fujimoto J, Hanada R, Hori H, Horibe K, Komada Y
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Journal Title
Int J Hematol
Volume: 94
Pages: 185-92
DOI
Peer Reviewed
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