2011 Fiscal Year Research-status Report
プロテオーム法を用いた小児期炎症性疾患の発症病因に関する網羅的解析
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23591545
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
森 雅亮 横浜市立大学, 大学病院, 准教授 (30254204)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | サイトカイン / 小児炎症性疾患 |
Research Abstract |
・インフルエンザ脳症、ウイルス関連血球貪食症候群、自己炎症症候群にみられるcytokine stormの解析:1) 炎症病態の推移に応じた炎症性サイトカイン産出のプロフィールの確定:(1)患者の炎症極期および鎮静期の末梢血白血球および血清の収集:上記疾患群の患者家族のinformed consentを取得後、患者の急性期および回復期の全血(5ml)から末梢血白血球(105個細胞)および血清(100~200μl)を15~20ペア収集した。(2)炎症性サイトカインを主座においた免疫学的解析:患者末梢単核球を分離し、細胞表面マーカーや既知の免疫機能制御分子、ケモカインの発現パターンとその量的変化、Th1/Th2バランスの変化などを炎症極期および鎮静期において検討を行った。表面マーカー、ケモカインの発現パターン、Th1/Th2バランスの変化はフローサイトメトリーを用いて解析した。2) 炎症極期あるいは鎮静期に発現しているタンパクの網羅的解析:ゲル電気泳動法で分離された蛋白質を、転写産物機能の解析法であるdifferential display法にて比較検討することにより、各患児の炎症極期あるいは鎮静期に発現している特異的蛋白を検出し比較した。(1)患者血球、血清中蛋白質の分離精製:患者から得られた血清をaffinity columnによりアルブミンおよびグロブリン除去した後、高い分離能をもつO’Farrellの二次元電気泳動で精製した。(2)炎症極期、鎮静期血清の差異の検討:炎症極期および鎮静期においてゲル電気泳動法で分離された蛋白質をdifferential display法にて比較することにより、各病期に特徴的な蛋白を検出する。染色はまずCoomassie Brilliant Blue (CBB) R-250 Wako社)で行い、次に銀染色にてより高い感度で検出状態を現在確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでのところ、概ね予定通りに進行している。このまま研究を続行していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
以下の点について検討する予定でいる。・Toll-like receptorおよびNodファミリータンパクのプロテオーム解析これまで行ってきたの方法を用いて、自然免疫の二つの認識機構であるToll-like receptorおよびNodファミリータンパク(RICK、ASC、pyrin、cryopyrin)の発現量をプロテオーム解析にて検討し、臨床症状と照合し疾患間の差異について解析する。・各種小児炎症性疾患における疾患特異的蛋白質の比較検討の総括を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記に同じ。
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