2013 Fiscal Year Research-status Report
ビタミンDサプリメントによる小児喘息発症・発作予防ランダム化プラセボ比較臨床試験
Project/Area Number |
23591553
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
浦島 充佳 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80203602)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田知本 寛 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (40256409)
|
Keywords | ビタミンD / ランダム化臨床試験 / プラセボ / 小児喘息 |
Research Abstract |
「C. 小児喘息の診断のついた小中学生 (6歳~15歳) に対してビタミンDサプリメント内服がプラセボと比較して喘息発作回数を減少させ得る否かを二重盲検ランダム化臨床試験で検証する。」 結果:89例をビタミンDあるいはプラセボに3:2の比率でランダムに振り分け、6カ月フォロー(2カ月内服+4カ月非内服で経過観察のみ)し、Global Initiative for Asthma (GINA)のコントロールレベルの改善ないしは悪化をプライマリ・アウトカムとした。その結果、ビタミンD群では94%が改善したのに対して、プラセボ群では57%が改善したのみであり、ビタミンDが統計学的に有意に(P=0.027)喘息コントロールを改善した。セカンダリ・アウトカムであるACT score でみると、2カ月時点で、ビタミンD群では悪化したのが9%であったのに対して、プラセボ群では31%が悪化しており、その差は有意であった(P=0.0088)。しかし、6カ月の時点では差を認めていない。同じくセカンダリ・アウトカムの呼吸機能、SCORADでは差をみていない。ランダム化前、25OHD が30 ng/mL 未満の低値の患者に絞ってsubgroup 解析したが同様の傾向を認めた。尚、血清25OHD はビタミンD群で、2カ月時点で6.0 ± 9.6 ng/mL の上昇をみているが(P<0.0001)、プラセボ群では- 0.4 ± 9.6 ng/mLとほとんど変わっていない。ビタミンD群では、3.2ng/mL 高い状態を維持していた(P=0.049)。 結論:ビタミンDを吸入ステロイドなどを含めた通常治療に加えることにより、小児喘息のコントロールを更に改善する。 2014年4月、ロンドンで開催された”Vitamin D and Human Health”で発表した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記Cの研究に関しては予想以上の成果をあげることができたと考えている。あとは、血清カルシウム、IL17A, IL10, IL13などの血清中のサイトカイン濃度を測定し、論文としてアレルギーのトップジャーナルに投稿することを目指す。また、しかし、下記2つの症例数が十分集まっていないので引き続き調査を行う。また、Individual Patient Data Meta-analysis of Randomized Clinical Trials of Vitamin D Supplementation to Prevent Acute Respiratory Infection にもデータを含めていく作業が残っている。 A. 乳幼児アトピー患者 (0歳~3歳) に対してビタミンDサプリメント内服がプラセボと比較して小児喘息発症を減少させ得る否かを二重盲検ランダム化臨床試験で検証する。 B. 小児喘息の診断のついたステロイド吸入薬未使用幼児 (2歳~5歳) に対してビタミンDサプリメント内服がプラセボと比較して喘息発作回数を減少させ得る否かを二重盲検ランダム化臨床試験で検証する。
|
Strategy for Future Research Activity |
「C. 小児喘息の診断のついた小中学生 (6歳~15歳) に対してビタミンDサプリメント内服がプラセボと比較して喘息発作回数を減少させ得る否かを二重盲検ランダム化臨床試験で検証する。」については、血清カルシウム濃度等を検査して、英語論文として投稿する。 Cの結果は、Individual Patient Data Meta-analysis of Randomized Clinical Trials of Vitamin D Supplementation to Prevent Acute Respiratory Infection に含める20の臨床研究の1つに含めることが決まった。 上記AとBの研究に関しては、本年中可能な限り症例数を増やし、年度内にまとめることとした。 今年度に繰り越した研究費残は、Cの英文校正ならびに、A, B 研究の血清25OHD濃度、カルシウム濃度等の測定にあてることにしている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
「C. 小児喘息の診断のついた小中学生 (6歳~15歳) に対してビタミンDサプリメント内服がプラセボと比較して喘息発作回数を減少させ得る否かを二重盲検ランダム化臨床試験で検証する。」に関しては予想以上の成果をあげることができたが、学会発表、誌上発表をこれから行っていきたい。しかし、下記2つの症例数が十分集まっていないので引き続き調査を行う。A. 乳幼児アトピー患者 (0歳~3歳) に対してビタミンDサプリメント内服がプラセボと比較して小児喘息発症を減少させ得る否かを二重盲検ランダム化臨床試験で検証する。B. 小児喘息の診断のついたステロイド吸入薬未使用幼児 (2歳~5歳) に対してビタミンDサプリメント内服がプラセボと比較して喘息発作回数を減少させ得る否かを二重盲検ランダム化臨床試験で検証する。 「C. 小児喘息の診断のついた小中学生 (6歳~15歳) に対してビタミンDサプリメント内服がプラセボと比較して喘息発作回数を減少させ得る否かを二重盲検ランダム化臨床試験で検証する。」については、血清カルシウム濃度等の検査を追加する。さらに、英語論文として投稿するため英文校正費にあてる。 上記AとBの研究に関しては、血清25OHD濃度、カルシウム濃度等の測定にあてる。研究結果がまとまるようであれば、Cと同様に英文校正を実施し、英文雑誌に投稿する。
|
Research Products
(5 results)
-
-
-
[Journal Article] Distinct effects of alcohol consumption and smoking on genetic alterations in head and neck carcinoma.2013
Author(s)
Urashima M, Hama T, Suda T, Suzuki Y, Ikegami M, Sakanashi C, Akutsu T, Amagaya S, Horiuchi K, Imai Y, Mezawa H, Noya M, Nakashima A, Mafune A, Kato T, Kojima H.
-
Journal Title
PLoS One.
Volume: 8
Pages: e80828
DOI
Peer Reviewed
-
-