2011 Fiscal Year Research-status Report
ダイヤモンド・ブラックファン貧血の新規分子病態の解明と治療法の開発
Project/Area Number |
23591554
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
三宅 弘一 日本医科大学, 医学部, 准教授 (90267211)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | Diamond-Blackfan anemia / リボゾーム蛋白 / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
DBAの病因に関してはいまだ完全には解明されていないが、DBA患者の約25%においてRPS19の遺伝子異常が報告されている。また、近年RPS19以外のリボゾーム蛋白(RPL5, RPL11, RPS24, RPS17 等)の異常の報告もあるが、DBAの半数以上は依然として病因不明である。また、現在までに有効な治療法は開発されていない。今までのDBA研究の問題点として(1)患者数が少なく研究に必要なサンプルが手に入りにくい。(2) DBAの細胞自体がin vitroでも増殖が困難である。(3) DBAの病態解析、治療効果検討を行えるモデルが存在しない。などがあげられ、これらの理由からDBAの病体解析およびその治療法の研究をするのは困難であった。我々が開発したDBAモデル(Blood. 105: 4627-4634, 2005, Mol Ther. 11: 627-637, 2005)はDBA患者のサンプルと同じ表現系 (細胞増殖能低下、コロニー形成能の低下、赤血球系分化障害、など) をもち、これらのモデル細胞の使用により今までは不可能であった様々な解析が可能となりDBA分子メカニズムの解析を行ってきた(Stem cells. 26: 323-329, 2008, Blood. 109: 980-986, 2007)。本研究ではsiRNAを用いて様々なリボゾーム蛋白(RPL5, RPL11, RPS24, RPS17 等)の異常を持つDBAモデルの作製を行い、総合的にリボゾーム蛋白異常の分子病態の解明を行う。さらにはこれらの結果をふまえると共に、臨床応用を念頭に置いた新規治療法(遺伝子治療)の開発を行いその有効性と安全性を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1. リボゾーム蛋白(RPL5, RPL11, RPS24, RPS17 等)の異常を持つDBAモデルの作製 (1)薬剤(テトラサイクリン)誘導性レンチウイルスベクターの作製:現在保有のテトラサイクリン誘導性レンチウイルスベクター(Mol Ther. 11: 627-637, 2005)にリボゾーム蛋白(RPL5, RPL11, RPS24, RPS17 等)に対するsiRNAを組み込む。(2) DBAモデル細胞の作製:KRAB遺伝子(Mol Ther. 11: 627-637, 2005)をすでに組み込んだ赤芽球系に分化可能な細胞(TF1, UT-7, K562)に作製したレンチウイルスベクターを用い遺伝子導入し、テトラサイクリンにてsiRNAを発現し、ボゾーム蛋白の発現を抑制する事によりDBAモデルを作製する。ウイルスベクターの作製は終了し、現在モデル作成中である。
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Strategy for Future Research Activity |
リボゾーム蛋白(RPL5, RPL11, RPS24, RPS17 等)に対するsiRNAを組み込んだモデルを作成後、作製したDBAモデル細胞が薬剤(テトラサイクリン)誘導によりDBA病態(細胞増殖能低下、コロニー形成能の低下、赤血球系分化障害、など)を起こすのを確認。その後誘導前後にての変化をマイクロアレイ、もしくは蛋白アレイにて検討し、さらに詳細な分子病態を解明していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
DBAモデル細胞の作製、及びその解析に必要な物品の購入。
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Research Products
(4 results)