2011 Fiscal Year Research-status Report
川崎病発症児におけるHLAクラスII多型(DP,DQ,DR)の亜群存在の解明
Project/Area Number |
23591581
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
末永 智浩 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (70433365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 啓之 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (80196865)
武内 崇 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (10246522)
吉川 徳茂 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10158412)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 小児免疫 / 川崎病 |
Research Abstract |
申請者らは、川崎病の臨床症状がA群溶連菌感染症のそれと類似することに着目し、これまでに川崎病急性期患児の末梢血T細胞レセプターレパートリー分析や、川崎病急性期患児血清におけるスーパー抗原の抗体価の測定などを行った結果から、川崎病発症の感染性因子としてA群溶連菌が産生するスーパー抗原であるSPE-Cが関与する可能性を報告した(Pediatr Res 53: 403-410)。これは抗原抗体反応の抗体側からのアプローチに過ぎないが、続いて申請者らは抗原側からのアプローチとして、川崎病急性期患児の便中全DNAにおけるスーパー抗原遺伝子の有無を検索し、SPE-Cを含めた複数のスーパー抗原遺伝子の存在を確認、川崎病発症の感染性因子として複数のスーパー抗原が関与する可能性を報告した(J Pediatr 155:266-270, 2009)。これらの新しい知見に基づき、本研究では川崎病患児の便から検出されるスーパー抗原遺伝子とその児のHLA classII多型(DP,DQ,DR)を検索し、スーパー抗原毎に感受性の高いHLA classII多型の群の存在を明らかにし、川崎病発症に複数のスーパー抗原と対応する宿主因子としてHLA classII多型の存在の解明を目的とする。当該年度は主として川崎病患児およびコントロールとなる熱性疾患児からの便・血液検体および臨床データの収集に専念した。申請者らは過去の研究から検体とりわけ便からのDNA採取やPCR法に関するノウハウを有しており、既に得られた検体からはDNA採取を漸次開始している。また複数のスーパー抗原が川崎病発症に関与することを示唆するような疫学的データを、国際学会を含む複数の学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
例年より川崎病の発生がやや少なく、現時点では想定した検体数に達していない。また購入を予定していたHLA分析キットは高価であり、より安価でかつ簡便な分析キットを検索していた。
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Strategy for Future Research Activity |
川崎病患児およびコントロール児からの検体採取を追加する。得られたDNAからのPCR法でのスーパー抗原遺伝子の検索や、購入予定のHLA分析キットを用いての分析を進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
新たに選定したHLA分析キットを購入予定である。
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Research Products
(3 results)