2013 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスの視点から見た胎盤機能不全における絨毛細胞機能障害機構の解明
Project/Area Number |
23591596
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
福嶋 恒太郎 九州大学, 大学病院, 講師 (40304779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野間 和夫 九州大学, 大学病院, 助教 (30380413)
藤田 恭之 九州大学, 大学病院, 助教 (20398077)
諸隈 誠一 九州大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (50380639)
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Keywords | 胎盤 / 活性酸素種 |
Research Abstract |
妊娠高血圧症候群(PIH)の病態形成には活性酸素種(ROS)を介した血管内皮機能障害が関わることが知られるとともに、PIH患者胎盤では、虚血性心疾患等における低酸素再潅流障害において重要な役割を担うとされるXanthine Oxidase(XO)の発現上昇が報告されている。初年度に、TCL1の培養上清中XOとその基質であるXanthine(X)の同時添加がEVTにアポトーシスを誘導しうること、妊娠全期間を通じて血圧が正常範囲内で推移した母児においても、拡張期血圧が1mmHg高値であるとSGAのリスクが上昇し、これにともない母体尿酸値も高値であること(Fukushimaら、Hypretens Res2012)、TCDDは絨毛細胞のアポトーシスを誘導しないこと(Fukushima, HET,2011)を明らかにした、本年度は虚血再潅流障害等によって胎盤で誘導されるXOはH2O2を介して、血管内皮だけではなくEVTのCell Fate決定に関与している可能性を示したものと考えられ、これまでに絨毛細胞の活性酸素種によるアポトーシスの誘導機序および伴って起こる細胞生物学的変化について絨毛細胞由来細胞株を用いてより詳細に検討しEVT機能分化の指標は細胞運動能、絨毛細胞分化マーカーのタンパク発現、HIF1A発現、転写活性、マトリゲル上でのtube formation、接着能、浸潤能(Boyden Chamber法)について解析を進め、英文論文掲載された(Murata, Fukushimaら、JRD, 2013)。本年は胎盤における活性酸素種のの産生源について注目し、TCL1細胞に諸種のサイトカイン、負荷を加えたところ、XOタンパクが誘導されることを明らかにした(Fukusima,投稿準備中)。つまり胎盤における活性酸素種産生の少なくとも一部にはTNFその調節に関与するものと考えられた。
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Research Products
(3 results)