2011 Fiscal Year Research-status Report
急性期未熟児網膜症に対する抗血管内皮細胞増殖因子療法の臨床的検討
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23591608
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
林 英之 福岡大学, 医学部, 教授 (30173024)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 未熟児網膜症 / 抗VEGF抗体 / 光凝固 / 硝子体手術 / 低出生体重児 |
Research Abstract |
研究計画に基づいて、平成23年度では福岡大学病院周産期母子医療センターで発症あるいは関連施設で発症し移送されたAP-ROPおよび関連状態のROP症例のうち倫理委員会承認要件に基づき、informed consentを行って同意が得られた例を対象症例として登録した。研究方法としては、ルセンティス投与以外の選択肢は光凝固とし、全身状態悪化すれば凝固中途で中止、あるいは1眼のみ凝固に止めることとした。ルセンティス投与については【点眼麻酔を行い無菌手技で眼瞼皮膚を消毒した後に、滅菌開瞼器で開瞼し眼球牽引鈎で眼球を固定する処置用顕微鏡下で、強角膜輪部から後方1mmの強膜上から30G短針を眼球中心に向かって刺入し、ルセンティス0.25mg(0.025ml)を注入する。注入後、抜針し刺入部を滅菌綿棒で押さえ手逆流を防ぐ。術後抗菌剤を点眼し1日3回3日間続ける。可能ならば抗菌剤全身投与を3日間続ける。注入前日に眼底検査と眼底写真撮影を行う。眼底観察が困難な例には超音波検査を行う。全身状態が許せば術後2日、4日に眼底検査と写真撮影を行い、以後週2回同様の検査を網膜症退縮まで行う。】という方法で症例のデータを保存した。光凝固については、ルセンティス注入後に病巣の増悪・進行が注入後2週以内に生じたならば、ルセンティスに反応していない可能性が高いので、光凝固に切り替え、硝子体出血や混濁のために眼底が不明な場合には超音波像に基づくという方法でデータを保存した。また眼内に注入されたルセンティスはしばしば血液中に移行し血管発育の阻害や血管閉塞を来す恐れがあると考えられているので随時、症例の経過観察を行いルセンティス投与早期効果と網膜の形状保持を確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画・方法に基づき、現在までに対象症例のデータが保存できており、平成24年度には追加症例とのさらなる比較・検討も行えると予測される。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画・方法に沿って平成24年度以降も順当に遂行していくことが予測されるが、対象となる症例は新生児,乳幼児がほとんどであるため、特に健康状態にも十分に留意して計画をすすめて行くことが重要である。そのためには随時、経過観察を行い問題点を早期に発見することが不可欠である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度も平成23年度と同様に対象症例の登録を行うため、薬剤の購入に経費を必要とする。また学会等で研究成果の経過報告を行う予定であるため成果報告のための諸経費に研究費を使用する予定である。また繰越金については、平成23年度の薬剤は以前購入の在庫を有していたのでその薬剤を使用していたが、薬剤の新規購入に際しては病院の保険点数等の書類処理に時間を有し平成23年度には薬剤の新規購入が出来なかった。それにより薬剤購入費用として繰越金が発生した。現時点では、書類審査も完了しているので平成24年度での購入については問題はない。
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Research Products
(3 results)