2013 Fiscal Year Annual Research Report
癌抑制遺伝子p53ファミリーとRunxファミリーによる表皮細胞の制御と発癌
Project/Area Number |
23591615
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
奥山 隆平 信州大学, 医学部, 教授 (80292332)
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Keywords | Runx / 表皮 / 分化 |
Research Abstract |
表皮細胞の増殖と分化の制御に関して、Runx1とRunx3に焦点をあてて解析を進めた。Runxの発現を増減させることでその働きを解析したところ、Runx1とRunx3はともに表皮細胞の増殖を抑制するとともに、分化も抑制する働きがあることが明らかとなった。 そこで、Runxの作用の分子メカニズムを解明するため、表皮細胞の分化マーカーであるケラチン1、ケラチン10の転写調節領域へのRunxの結合をChromatin immunoprecipitation法を用いて調べた。その結果、ケラチン1、ケラチン10の転写調節領域へRunxが直接結合することが明らかとなった。Runxはケラチン1、ケラチン10の転写調節を直接負に制御しているものと思われた。 さらに、Runx1やRunx3の働きをin vivoレベルで解析するため、Runx1f/fマウスやRunx3f/fマウスと、Keratin 5 Cre recombinaseマウスの交配を進めた。皮膚での組織特異的にRunx1を欠失させたが、表皮細胞の増殖や分化に変化は生じなかった。皮膚での組織特異的にRunx3を欠失させたマウス、さらにはRunx1とRunx3を共に欠失したマウスの作成を進めており、表皮での変化を解析する予定である。
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