2012 Fiscal Year Research-status Report
乾癬表皮角化細胞における細胞周期S期亢進を介したエピジェネティクス異常機構の解明
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23591617
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉浦 一充 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70335032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室 慶直 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80270990)
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Keywords | 乾癬 / 表皮角化細胞 / エピジェネティクス / LEDGF / トランスジェニック / MLL |
Research Abstract |
エピジェネティクスとは塩基配列によらない遺伝情報の発現制御であり、癌や膠原病、アレルギー性疾患では、エピジェネティクスと病態の関与が報告されている。しかし、乾癬のKCにおけるエピジェネティクスの関与については、未解明のままである。一方、エピジェネティクス(クロマチンリモデリング)に影響を与える、ヒストン脱アセチル化酵素に対する阻害剤(HDAC阻害剤)は、乾癬の治療薬としても有望視されている。 乾癬では活性化した表皮角化細胞(KC)からTh17細胞、制御性T細胞、Tip-DC、形質細胞様樹状細胞等の炎症細胞へのフィードバックも病態形成に重要である。 Lens epithelium derived growth factor (LEDGF)はヒストンH3のK3,K4のメチル化酵素であるMLL1を誘導して標的遺伝子を活性化することが知られている。さらに、このMLL1は他のヒストンアセチル化酵素やクロマチンリモデリング因子と結合して広範なエピジェネティクス変化をもたらすことが示唆されている。 本研究の目的は、乾癬皮疹部のKCにおいて核内に異所性に局在する、S期促進因子 LEDGFが、エピジェネティクスのひとつ、クロマチンリモデリングを介して転写促進をするか否かを検討し、もしそのようなクロマチンリモデリング機構が存在するのであれば、その分子病態を詳細に解析することである。 本年度の主たる成果は、LEDGFを表皮で過剰発現するトランスジェニックの表現系についての解析をしたことである。このマウスは既存の乾癬モデルマウスとは全く異なる発症機序を持つモデルとなり、乾癬研究において有用なツールになると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トランスジェニックマウスの表現系の解析をした。細胞実験においてもLY294002とU0126を同時に添加したときに、LEDGFとCDC7、STAT3等が核内から細胞質に移った。以上のせいかを論文投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
トランスジェニックマウスを用いて研究を展開していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
トランスジェニックマウスを用いた研究に研究費を使用する。
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