2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23591621
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松尾 裕彰 広島大学, 医歯薬保健学研究院(薬), 教授 (60346385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三原 祥嗣 広島大学, 医歯薬保健学研究院(医), 准教授 (90325168)
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Keywords | 食物アレルギー / 小麦 / アレルゲン / 消化管透過性 |
Research Abstract |
小麦依存性運動誘発アナフィラキシー(WDEIA)は、小麦摂取後に運動することによりアナフィラキシーなどの重篤な症状が誘発される疾患である。我々はこれまでの研究で、消化管からのアレルゲンの吸収増加が、WDEIAにおける症状誘発要因の一つであることを明らかにしている。しかしながら、経口摂取した小麦アレルゲンは胃酸による変性や消化酵素による分解を受けることから、ELISAなどの免疫学的手法で検出された血液中のアレルゲンが、マスト細胞や好塩基球を活性化できる生物学的活性を有しているかどうか不明である。本研究では、ラット好塩基球細胞(RBL-2H3)の脱顆粒を指標にした血中小麦アレルゲンの生物学的活性定量法の構築し、アレルゲンの体内動態を明らかにする。 これまでに、リコンビナントω5-グリアジンの大腸菌における発現および精製を行い、単一タンパク質として精製した。しかし、ラットの感作実験が可能な量のリコンビナントタンパク質は取得できなかった。そこで、ラットを小麦グリアジンで感作後に得られる血清中に含まれるIgE抗体を利用してRBL-2H3細胞を感作し、抗原刺激による活性化を指標にアレルゲンの定量が可能かどうか検討した。本年度は、モデルアレルゲンとして卵オボアルブミンを用いて、ラットの感作方法の検討および、得られた血清オボアルブミン特異IgEを用いた生物学的アレルゲン活性の測定法を検討した。その結果、アレルゲン活性を検出できることが明らかとなった。さらに、小麦グリアジンを抗原として用いた場合においても、グリアジン特異IgE抗体を含む血清を取得できることを確認した。また、ELISA法によるグリアジン検出法を検討した結果、市販の抗グリアジン抗体を用いると検出感度は低いことが分かった。さらに、Brown Norwayラットを用いた経口食物アレルギーモデルのアレルゲン感作条件検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)抗ω5-グリアジンIgGおよびIgEモノクローナル抗体の作製とエピトープ解析については、全長型のリコンビナントω5-グリアジンの作製には成功したが、感作抗原として十分量得ることができなかった。そこで、抗グリアジン血清IgEを作製することに変更した。今年度の研究で、抗グリアジンIgE抗体を含む血清を取得することができた。 2)ELISA法による血中ω5-グリアジン定量法の構築については、市販の抗グリアジン抗体を用いた検討を行ったが、検出感度が低く目的を達成できていない。抗体や検出条件の検討が必要である。 3)ω5-グリアジンの生物学的活性定量法の構築については、卵オボアルブミン感作ラット血清IgEをRBL-2H3に感作させた後、抗原添加による脱顆粒反応を見た。その結果、この検出系でOVAが検出できることを明らかにした。グリアジンについても同様の方法で検出可能であると考えている。 4)WDEIA患者の誘発試験時の血清中ω5-グリアジン濃度の解析については2)、3)の実験が終了後に測定する予定である。 5)小麦アレルギーモデルマウスにおけるω5-グリアジンの血中動態と感作率の解析については、動物種をマウスからラットへ変更し、経口感作アレルギーモデル作製のための予備実験を行った。その結果、Brown-Norwayラットを利用することで、IgE感作ラットを作ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で、血中グリアジンが定量できることが示されたが、検出感度が不十分であることが分かった。今後、ELISAによる血中グリアジンの定量法については、市販の抗グリアジンモノクローナルIgG抗体を利用することにより、感度の向上を試みる。また、グリアジンの生物学的活性定量法についても、検出感度の向上を目的に条件検討を行う。これらの検出法を確立した後に、ヒト血清中の小麦グリアジンを定量し動態解析を行う。 これまでの研究でグリアジン経口感作モデルラットを作製することができたことから、このモデルラットを使用して、血中のグリアジン動態を解析する。さらに、非ステロイド性抗炎症薬や運動負荷が食物アレルゲン感作に与える影響を明らかにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の経費の主な用途は消耗品,実験動物,旅費である。細胞培養関連器具・試薬、ELISA関連器具・試薬、実験動物、抗体を購入する。さらに、本研究成果を発表するための旅費の支払いにも使用する。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] Characterization of the Causative Allergens for Wheat-Dependent Exercise-Induced Anaphylaxis Sensitized with Hydrolyzed Wheat Proteins in Facial Soap2013
Author(s)
Tomoharu Yokooji, Saki Kurihara, Tomoko Murakami, Yuko Chinuki, Susumu Harada, Hitoshi Takahhi, Eishin Morita, Kaori Ishii, Makiko Hiragun, Michihiro Hide and Hiroaki Matsuo
Organizer
2013 American Academy of Allergy, Asthma & Immunology Annual Meeting, San Antonio, Texas
Place of Presentation
San Antonio, USA
Year and Date
20130222-20130226
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