2013 Fiscal Year Annual Research Report
成熟T細胞リンパ腫でのc-MybとABCG2/BCRPによる抗癌剤耐性機序の解明
Project/Area Number |
23591633
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
中山 隆志 近畿大学, 薬学部, 教授 (60319663)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
義江 修 近畿大学, 医学部, 教授 (10166910)
樋口 智紀 近畿大学, 医学部, 助教 (00448771)
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Keywords | ABCG2/BCRP / c-Myb / Fra-2 / ATLL |
Research Abstract |
本研究の目的は、成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)および皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)でのc-MybによるABCG2/Breast Cancer Resistance Protein(BCRP)発現誘導機構の解析、およびABCG2/BCRP機能と抗がん剤耐性との関係を解析することにより、c-Myb-ABCG2/BCRP経路による抗がん剤耐性機序を解明することにある。 研究代表者はこれまでに、マイクロアレイ解析を用いたc-Myb標的遺伝子の探索を行い、成熟T細胞リンパ腫での新規c-Myb標的遺伝子として薬物トランスポーターABCG2/BCRPを同定した。ATLLおよびCTCL細胞株におけるABCG2/BCRP発現は、c-Mybの発現抑制により優位に抑制された。また、ABCG2/BCRPのプロモーター領域にはc-Myb結合部位が存在し、ABCG2/BCRPのプロモーター活性はc-Myb発現により増強されることが明らかとなった。c-MybとABCG2/BCRP mRNAのATLL臨床検体を用いた発現解析では、ともに正常CD4陽性T細胞では発現せず、ATLLにおいて高頻度に発現し、有意な発現相関を示した。同様にATLLでのc-MybとABCG2/BCRPのタンパクレベルでの発現は、臨床検体を用いた免疫組織染色により確認された。さらにABCG2/BCRP 阻害剤の抗がん剤による抗ATLL活性への影響を調べた結果、ABCG2/BCRP 阻害剤はアドリアマイシンによる抗腫瘍活性を選択的に促進することが示された。これらの結果より、c-Myb-ABCG2/BCRP経路は成熟T細胞リンパ腫の抗がん剤耐性において重要な役割を果たしている可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Chemokine CXCL16 suppresses liver metastasis of colorectal cancer via augmentation of tumor-infiltrating natural killer T cells in a murine model.2013
Author(s)
Kee JY, Ito A, Hojo S, Hashimoto I, Igarashi Y, Tsukada K, Irimura T, Shibahara N, Nakayama T, Yoshie O, Sakurai H, Saiki I, Koizumi K.
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Journal Title
Oncol Rep.
Volume: 29
Pages: 975-982
DOI
Peer Reviewed
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