2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23591637
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
菊地 克子 東北大学, 大学病院, 講師 (50250759)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 研志 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40294798)
|
Keywords | バリア機能 / 角層機能 / 自然免疫 / アクネ桿菌 / 表皮ブドウ球菌 |
Research Abstract |
1.健常人皮膚での解析 顔面の部位別の角層機能に関してデータを蓄積した。角層機能評価では、皮膚表面に水をのせ10秒後に拭き取り、その後、角層水分量を30秒毎に2分後まで計測する「角層水負荷試験」にて、角層の吸水能と水分保持能を評価した。顔面の皮膚のなかでも、鼻の皮膚は皮脂分泌が多くアトピー性皮膚炎では皮膚病変が出現しにくい部位として知られている。健常人皮膚で鼻の皮膚を含めた角層機能の検討を行ったところ、鼻の皮膚はは、角層水分量指標である高周波コンダクタンスが頬部皮膚とほぼ同定とであったが、TEWLは鼻皮膚の方が低値であり鼻皮膚が頬部皮膚よりもバリア機能が優れていることが示された。鼻の皮膚の吸水能は頬皮膚よりも低値であり、角層内の保湿因子の低値が示唆され、鼻皮膚においては、皮膚表面を覆う皮脂により角層水分が保持されている可能性が考えられた。この角層機能結果を踏まえ、各種細菌の細菌叢の検証、抗菌ペプチド、落屑調整プロテアーゼを解析結果を検証している。 2.ざ瘡や酒さ、酒さ様皮膚炎、口囲皮膚炎などの毛包脂腺系の疾患での解析 治療に伴って皮疹が軽快する前後で皮膚角層機能の解析ならびにアクネ桿菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌などの細菌叢の検証、抗菌ペプチド、落屑調整プロテアーゼを解析する目的で、テープストリッピングによる角層細胞の採取を行い、現在症例数を蓄積しているが、症例数の蓄積が不足しており、結果解析には至っていない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
アトピー性皮膚炎、ざ瘡、口囲皮膚炎、酒皶など顔面に皮膚疾患を有する患者の対象者数が不足している。
|
Strategy for Future Research Activity |
顔面に病変を有する患者(アトピー性皮膚炎、酒さ、ざ瘡など)に関して、引き続き標本数を集めるように努力する。 TRL2欠損マウスならびに野生型マウスを用いて、テープストリッピングあるいはアセトン処理によってバリア傷害を惹起し、その後のバリア回復過程がTRL2欠損により異なるかどうかを角層機能や形態の解析とともに抗菌ペプチド、落屑調整プロテアーゼなどの解析を行う。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は、当初計画していた動物実験に25年度に延期することによって生じたものであり、延期した動物実験に必要な経費として平成25年度請求額と合わせて使用する予定である。また、当初計画していた遺伝子や蛋白解析に用いる試薬などの購入に用いる。
|