2011 Fiscal Year Research-status Report
水疱性類天疱瘡の病態関連モノクローナル抗体の単離と新規診断法・治療法の開発
Project/Area Number |
23591639
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
清水 忠道 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (70260396)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 裕幸 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (60186210)
牧野 輝彦 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (90359711)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 水疱性類天疱瘡 / サイトカイン / ケモカイン / MIF / 自己抗体 |
Research Abstract |
本研究では水疱性類天疱瘡患者リンパ球からImmunospot array assay on a chip (ISAAC)法によりantigen-specific antibody-secreting cells(ASCs)を単離して各細胞より産生されるモノクローナル抗体をもちいて病態の形成に強く関与するエピトープを同定し、そのエピトープを用いてより鋭敏に病勢を反映する検査システムを構築する。さらにこのエピトープを認識する抗体に対する抗イデオタイプ抗体を作成しBPに対するより特異的な抗体治療の開発を試みる。1.リコンビナントBP180NC16aタンパク質の作製:正常ヒト皮膚cDNAを鋳型とし、RT-PCR法により得たBP180NC16a領域のcDNAを大腸菌用GST融合発現ベクターであるpDEST15 vectorに組み替え、このベクターを用いて大腸菌内でリコンビナントタンパク質を誘導し、そのタンパク質をグルタチオンセファロースで精製した。GST-融合タンパク質はBP患者血清と特異的に反応した。2.ISAACによるASCsの同定: BPと診断された複数の患者の末梢血よりPBMCsを採取した。まず一人のBP患者から得たPBMCsを用いて、ISAACを行い、抗原特異的抗体を産生しているリンパ球を同定した。これらの細胞は個々に回収され、それぞれ抗体γ鎖、κ鎖、λ鎖に対するプライマーを用いた単一細胞 5’-RACE法により抗体可変部cDNAを増幅させ、抗体重鎖(H鎖)や軽鎖(L鎖)の定常部領域を含有する発現ベクターに導入した。現在このH鎖とL鎖の両方の発現ベクターをHEK293T細胞に共導入し細胞内で発現させることによりモノクローナル抗体の獲得を試みている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ISAAC法を開発した本大学免疫学教室岸准教授の協力のもとおおむね順調に研究は進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
ISSAC後、最終的に得られるモノクローナル抗体の量と質が今後の実験において非常に重要になる。現在進行しているものに加え、他の患者のPBMCsからもASCsの同定を行い更なるモノクローナル抗体の単離を試みる。単離できたモノクローナル抗体に関しては、ヒト皮膚をもちいた蛍光抗体法とELISA法によりその反応性を検証する。BP180NC16aを認識することが確認できた抗体は、次にそれぞれの抗体が認識するエピトープを同定する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度と同様に細胞培養に用いる培地、試薬やplasmidの抽出、遺伝子導入などに用いる試薬の購入を予定している。また今年度はこれに加え抗体の反応性も見るためBP180ELISA kitやエピトープ決定に用いるペプチドの購入も予定している。
|