2012 Fiscal Year Research-status Report
水疱性類天疱瘡の病態関連モノクローナル抗体の単離と新規診断法・治療法の開発
Project/Area Number |
23591639
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
清水 忠道 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 教授 (70260396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸 裕幸 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (60186210)
牧野 輝彦 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 准教授 (90359711)
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Keywords | 水疱性類天疱瘡 / モノクローナル抗体 / ISSAC / BP180 |
Research Abstract |
本研究では水疱性類天疱瘡患者リンパ球からImmunospot array assay on a chip (ISAAC)法によりantigen-specific antibody-secreting cells(ASCs)を単離して各細胞より産生されるモノクローナル抗体をもちいて病態の形成に強く関与するエピトープを同定し、そのエピトープを用いてより鋭敏に病勢を反映する検査システムを構築する。さらにこのエピトープを認識する抗体に対する抗イデオタイプ抗体を作成しBPに対するより特異的な抗体治療の開発を試みる。 1.ISAACによるASCsの同定: BPと診断された複数の患者の末梢血よりPBMCsを採取した。まず一人のBP患者から得たPBMCsを用いて、ISAACを行い、抗原特異的抗体を産生しているリンパ球を同定した。これらの細胞は個々に回収され、それぞれ抗体γ鎖、κ鎖、λ鎖に対するプライマーを用いた単一細胞 5’-RACE法により抗体可変部cDNAを増幅させ、抗体重鎖(H鎖)や軽鎖(L鎖)の定常部領域を含有する発現ベクターに導入した。現在このH鎖とL鎖の両方の発現ベクターをHEK293T細胞に共導入し細胞内で発現させることによりモノクローナル抗体の獲得を試み、現在モノクローナル抗体が獲得されつつある。現在他の患者から得たPBMCsを用いてさらに複数のモノクローナル抗体の獲得を試みている。 2.モノクローナル抗体の獲得と併行し、BP180のNC16a領域をカバーするいくつかのペプチドを作製しドットブロット法により患者血清中に含まれうる抗体を検証している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在一名のBP患者から得たPBMCsを用いて、ISAACを行い、抗原特異的抗体を産生しているリンパ球を同定し、そこから得たIgG(γ鎖とλ鎖あるいはκ鎖)のcDNAをHEK293T細胞に共導入し現在モノクローナル抗体が獲得されつつある。しかしこれまでの行程でIgGを充分に発現するコンストラクトの同定に予定より多くの時間を要したことにより得られた抗体の解析の開始が若干遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
ISSAC後、最終的に得られるモノクローナル抗体の量と質が今後の実験において非常に重要になる。これまでに行った抗体単離の経験を生かし、よりスピーディに複数の患者からのモノクローナル抗体の単離を試みる。単離できたモノクローナル抗体に関しては、ELISA法による反応性の検証とそれぞれの抗体が認識するエピトープの同定の後、培養表皮角化細胞を用いて抗体が細胞に及ぼす作用を検討する。 より効率的に抗体の解析を進めるため、PBMCを採取した患者より得ている血清を用いて、NC16aを分割したペプチドでのドットブロット法により各患者が有する抗体のprofileを確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
これまでと同様に細胞培養に用いる培地、試薬やplasmidの抽出、遺伝子導入などに用いる試薬の購入を予定している。また今年度はエピトープ決定に用いるペプチドやモノクローナル抗体の作用を検討するための培養表皮角化細胞などの購入も予定している。
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