2011 Fiscal Year Research-status Report
円形脱毛症に対するケモカイン、ケモカイン受容体阻害を介する新規治療戦略
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23591642
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
伊藤 泰介 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (90293638)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 円形脱毛症 / 細胞走化性 / CXCL10 |
Research Abstract |
円形脱毛症の病態を解明するために、患者末梢血リンパ球におけるケモカイン発現の解析を行ったところ、急性期円形脱毛症では、Th1ケモカイン受容体CXCR3発現が健常群と比較して有意に発現細胞数が多かった。またCD8細胞上のCXCR3発現、すなわちTc1におけるCXCR3陽性細胞も円形脱毛症では健常群と比較して多かった。慢性期では興味深いことに、Tc1のみが有意に発現細胞数が多かった。組織学的にも、急性期円形脱毛症では、毛包周囲にCD4+CXCR3+ 細胞が有意に浸潤していた。さらに組織でのCXCL10発現が免疫組織学的検討でもmRNA発現においても有意に上昇しており、この発現上昇がCXCR3+細胞の円形脱毛症病変部毛包周囲への浸潤を促しているものと理解された。EZTaxiscanでも、CXCL10に対する細胞走化性は健常群と比較して有意に亢進していた。以上から、何等かの原因でCXCL10発現が上昇し、そこにCXCR3+Th1 やTc1が浸潤し、いわゆるswarm of beesを形成することとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一定の数以上の患者末梢血リンパ球の解析が出来ている。現在、慢性期の患者を集めることに時間を要している。現時点までに、末梢血リンパ球におけるケモカイン受容体発現、病変部におけるケモカイン発現、細胞走化のリアルタイム観察、細胞骨格の検討等を行ってきた。概ねこの1年間で今後の実験の方向性を確認することが出来たため、今後はこのデータの確認をあらゆる方向性から診ていくこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
円形脱毛症患者では当初の予測のようにTh1、Tc1がおそらくはCXCL10発現の上昇している。しかし現時点ではこの産生細胞が不明である。今後は、CXCL10の産生を促すためのI型インターフェロンの発現細胞を確認するために、DCなどを検討してくこととしている。その後、CXCR3阻害薬などによって円形脱毛症が改善するかを、円形脱毛症モデルマウスなどを使用して、検討してく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
抗体購入、末梢血リンパ球から樹状細胞を取り出すためのマグネットビーズの購入インターフェロンの濃度検討のためのELISAキット購入
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Research Products
(4 results)