2013 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚再生機構の解明ー毛包細胞内シグナル伝達機構の解析ー
Project/Area Number |
23591644
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
板見 智 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座教授 (30136791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
乾 重樹 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座准教授 (30324750)
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Keywords | 毛周期 / 幹細胞 / 核内レセプター / MED1 / STAT3 / 毛乳頭細胞 / Leptin |
Research Abstract |
1.毛周期に影響を与える転写因子としては核内レセプターが良く知られている。核内レセプターは数々の共役因子と複合体を形成して下流遺伝子の転写を活性化するが、特にMediator Complexと結合する事が重要である。この複合体の中でMED1は中心的な役割を果たしている。我々はCre-loxPシステムを用いて皮膚角化細胞特異的にMED1遺伝子を欠失させたマウス(MED1epi-/-)を作成し毛周期を検討したところ、休止期の維持に異常を認め毛包幹細胞が減少していくことを確認した。このことよりMED1が毛包バルジ幹細胞維持に必須であることを明らかにした(J Invest Dermatol. 133: 354-360, 2013.)。 2.毛包が再生するためには幹細胞が必須であることは明らかであるが、我々は毛包幹細胞におけるSTAT3の活性化が毛周期の進行に重要な役割を果たすことを明らかにしてきた。STAT3活性化に関わる毛乳頭細胞からのシグナルとしては、HGF、 Leptinなどが想定される。Leptin receptor欠損マウス(db/db)ではSTAT3欠損マウス同様に創傷治癒が遅延することが知られているが、db/dbマウスにおける毛周期を検討したところ、明らかに成長期の開始が遅延していることを見いだした。さらに、マウス、ヒトともに退行期~休止期にかけて毛乳頭におけるLeptin発現が増強することを確認した。退行期毛包は低酸素下にあるが、低酸素条件下で毛乳頭細胞がLeptinを産生することも確認した。(Exp Dermatol. 23:27-32, 2014.)
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