2013 Fiscal Year Annual Research Report
デルマトポンチンにより活性化されたフィブロネクチンは抗腫瘍活性を持つのか
Project/Area Number |
23591648
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
岡本 修 大分大学, 医学部, 客員研究員 (40284799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 作平 大分大学, 医学部, 教授 (90181411)
松尾 哲孝 大分大学, 医学部, 准教授 (10284788)
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Keywords | デルマトポンチン / 細胞外マトリックス |
Research Abstract |
活性化したフィブロネクチンは抗腫瘍活性を持つことが知られる。我々はデルマトポンチン(DP)がフィブロネクチンと結合し、これを活性化することを明らかにした(Kato, J. Biol. Chem. 2011、岡本 Aestetic Dermatol.2011)。DPにより活性化されたフィブロネクチンを、マウス背部に接種したメラノーマの腫瘍塊に投与すると、腫瘍内の血管数が対照と比較して有意に減少した。また、DPを培養骨髄腫細胞に投与すると骨髄腫細胞は壊死を起こし、その数は著明に減少した。これらのことから、DPは腫瘍の種類により直接的、間接的に抗腫瘍活性を持つと考えられた。 DPはフィブロネクチンのみでなく、フィブリンにも結合する。我々はDPがフィブリンの前駆体であるフィブリノーゲンと結合することを見出した。DP存在下でフィブリノーゲンをフィブリンに変換すると、フィブリンの生成速度はDPの濃度に依存性に亢進し、生成したフィブリンの直径はDP非存在下で生成したものよりも太く、周囲の細線維は減少した。このフィブリン線維は血管内皮細胞の接着と接着細胞の伸展を増強した(Wu, J. Invest. Dermatol. 2014)。すなわち、DPがフィブリンの微細構造と機能を修飾することが明らかになった。フィブリンやフィブロネクチンは創傷のごく早期に形成される仮マトリックスの主要成分であり、DPもこれらと共存することから(Kato, J. Biol. Chem. 2011)、DPには創傷治癒を促進する機能があると推察された。
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Research Products
(5 results)