2012 Fiscal Year Research-status Report
神経ペプチドのIgE依存性アレルギー反応に対する調節作用の解析
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23591654
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
水川 良子 杏林大学, 医学部, 講師 (50301479)
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Keywords | 神経ペプチド / アレルギー反応 / IgE |
Research Abstract |
本研究において我々は、表皮に恒常的発現する神経ペプチドNeuromedin U (NMU) がIgE依存性のアレルギー反応に果たす役割を明らかにすることを目的としている。前年度にはNMU-/-マウスを用いた検討を行い、NMUの欠損はIgE依存性のアレルギー反応を増強させることを明らかにし、NMUはIgE依存性のアレルギー反応を抑制すると考えられた。本年度は、NMUのIgE依存性アレルギー反応の抑制効果を更に証明するために、① NMU-/-マウスの足蹠を用いたIgE transferの系、② マウス肥満細胞を用いたin vitroの系を施行した。 その結果、① ハプテン特異的IgEで前処理した足蹠にハプテン塗布を行うと、NMU -/-マウスでは、同様に処理したWTマウス(B6)に比較して即時型反応が有意に増強していた。② マウス骨髄由来肥満細胞 (BMMC)はNMUにより脱顆粒し、その反応はIgEで前処置した場合には抑制された。 以上より、NMUはIgE依存性の肥満細胞を介する即時型のアレルギー反応を抑制することを明らかにできたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子改変マウスを用いたin vivoでの実験は概ね予定通りに遂行されている。 マウス骨髄由来肥満細胞を用いた脱顆粒の系も確立されており、今後はNMUを介した脱顆粒の反応のpathwayの検討なども行う予定にしている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度同様にNMUによるIgE依存性アレルギー反応の抑制作用を明らかにするために、NMUによる肥満細胞脱顆粒のpathwayを検討する。従来より、NMUはNMUレセプターを介して肥満細胞を脱顆粒させることが知られているが、我々の予備実験ではTLRが関与している可能性が示唆されている。そこで、B6、NMU-/- に加え、各TLRノッックアウトマウス群 (TLR2-/-、TLR4-/-、TLR6-/-、TLR9-/-)、同一肥満細胞上に発現するIL-1R-/- 、MyD88-/-およびB細胞を欠損しIgE/ FceRI のシグナルを欠く μ-/-、TNP特異的IgEを有するTNP-IgE TGマウスを用いてハプテン塗布によるITHの検討を行う。各マウス骨髄から肥満細胞を誘導し、in vitroでのNMUによる脱顆粒の違いの有無も確認するとともに、IgE処理による脱顆粒の抑制も確認する予定にしている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
各種ノックマウス購入およびin vitroでの実験の試薬購入に充てることを計画している。
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Research Products
(8 results)