2013 Fiscal Year Annual Research Report
神経ペプチドのIgE依存性アレルギー反応に対する調節作用の解析
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23591654
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
水川 良子 杏林大学, 医学部, 准教授 (50301479)
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Keywords | 神経ペプチド / アレルギー反応 / IgE |
Research Abstract |
本研究において我々は、表皮に恒常的に発現する神経ペプチド neuromedin U(NMU)がIgE依存性のアレルギー反応にはたす役割を明らかにすることを目的としている。平成23年度にはNMU knouckout (KO)マウスを用いて、NMU KOマウスではIgE依存性のアレルギー反応が増強することをハプテンを用いた系で明らかにした。平成24年度には平成23年度の結果を元に、ハプテン特異的IgEの前処理によるIgE依存性のアレルギー反応がNMU KOではWTよりも増強することを示した。さらに、NMU自身が肥満細胞を脱顆粒させうるmediatorであることから、肥満細胞を介したNMUおよびIgEの直接的な相互作用を明らかにするために骨髄から誘導した肥満細胞 (BMMC)を用いて検討を行った。その結果、BMMCとBMMCからサイトカイン環境をかえることにより得られる結合式型肥満細胞 (CTLMC)では反応性が異なり、さらにIgEはNMUによる脱顆粒を抑制しうることを明らかにした。 そこで本年度は、NMUとIgEの関係をハプテン特異的 ・ 非特異的IgEを遺伝学的に発現しているマウスでの検討 および NMUとIgEの相互関係を明らかにするために各種遺伝子改変マウスを用いてin vitro/ in vivo での検討を行った。その結果、① ハプテン特異的IgEのみならずハプテン非特異的IgEにおいても低濃度ではNMUによる即時型反応は抑制された ② NMUでの肥満細胞の脱顆粒はTLR2との関係がある可能性が示唆された。以上の結果から、自然免疫およびIgE依存性のアレルギー反応が皮膚を反応の場として相互に生じることで過度の炎症や局所破壊を制御していると考えられた。
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Research Products
(6 results)