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2012 Fiscal Year Research-status Report

統合失調症多発罹患家系において見出された稀もしくは長大なコピー数多型の関連研究.

Research Project

Project/Area Number 23591669
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

金子 尚史  新潟大学, 医歯(薬)学総合研究科, 非常勤講師 (40515657)

Keywordsコピー数多型 / 統合失調症 / 臨床精神分子遺伝学 / 多発罹患家系 / 連鎖解析
Research Abstract

推定上のサイズが500kb以上の2つのCNVについてTaqMan法によるリアルタイムPCR法によってコピー数の決定を行った。
うち1つのCNVは、領域内に3つのプローブを設定し、一つのプローブにおいてマイクロアレイ解析の結果を再現できた。約1300例のケースコントロールにおける解析では、0-3コピーを有するCNVであり、対照群においても2コピー以外が約34%とcommonなCNVであるが、症例群と対照群において有意差が見られた。この結果により、当該CNVが統合失調症と関連している可能性が示唆された。同一のCNVの領域内に設定した他の2つのプローブでは同一症例における再現性が約80%と低く十分な結果が得られていない。
もう一方のCNVについては、プローブにより同一サンプルにおける一致率に大きな違いがあったため、精度の高いプローブによって解析するため領域内で計9つのプローブについて解析を行った。比較的精度の高いプローブにおいて約1300例の対象について解析したところcommon CNVであった。さらに家系内の同一サンプルの解析においてプローブによってコピー数が異なるためCNVが500kbに満たない可能性が高かった。
また本家系において全ゲノムノンパラメトリック連鎖解析を行ったところ、以前行ったマイクロサテライトマーカーによるパラメトリック連鎖解析では見いだせなかった領域に約5Mbの連鎖領域(p = 0.0002)を見出した。この領域には家系内において6つのCNVが推定されており、統合失調症関連CNVの有望な候補と思われる。これらのCNVについてケースコントロールについて解析することにより、統合失調症関連CNVを明らかにできる可能性がある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

各サンプルのコピー数を決定するためのリアルタイムPCR法による解析において、同一症例における一致率が低いプローブ(80%前後)が見られ、他のプローブを設定し複数のプローブにわたって実験するとともに実験条件を変更して検証を行ったため当初の計画に比べ時間がかかった。本研究に係わる解析のみでなく同一の機材(ABI PRISM 7900HT)を用いた実験において同様に実験結果のばらつきが見られたため、実験条件の見直しおよび機材の点検整備、試薬の見直しを行い、現在は良好な結果が得られている。

Strategy for Future Research Activity

500kb以上のCNVのうち、すでに解析したサンプルにおいて有意差の見られているCNVについては、当該CNV内にすでに1500サンプルについて解析の終わったプローブおよび複数のプローブを設定し、約2500組の症例‐対照による関連解析を行う予定である。TaqMan法によるリアルタイムPCRにおいてはプローブによって同一症例の一致率に差があるため、小サンプルにおいて一致率を確認したのちに大規模対象について解析を行う。
全ゲノム連鎖解析により見出された家系内連鎖領域に存在するCNVについては、家系サンプルおよびケースコントロールサンプル200組についてまず解析を行い200組のケースコントロールサンプルにおいて統合失調症との関連の可能性のあるCNVおよび頻度の稀なCNVについて優先的に2500組のケースコントロールサンプルでの解析を行う。
もう一方の500kb以上と推定されたCNVについては家系内サンプルにおいてサイズを確認ののち、500kbを超えていることが確認された場合には、まず症例‐対照200組において関連解析を行い、関連している可能性が示唆された場合には2500組の関連解析を行う予定である。
今年度において同一サンプルでのCNVコピー数の一致率が低かったため解析に時間がかかり研究費を年度内に使用することはできなかったが、実験条件や試薬の見直しにより一致率の上昇が見込めるため、統合失調症との関連の可能性の高い長大なCNVおよび強い連鎖の見られる領域に存在するCNVについて優先的に大規模サンプルによる解析を行うことにより統合失調症に関連するCNVを見出すことができると考える。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

統合失調症との関連の可能性があるCNVについてABI社のTaqMan Copy Number Assayにてコピー数の同定を行う。すでに1500例で解析済みのプローブについて大規模サンプル用のプローブを追加する。さらにCNV内に他に複数のプローブを設定して解析を行う。このために使用するプローブおよび他の試薬を要する。
連鎖領域内に存在する5つのCNVについて、家系サンプルおよび200組のケースコントロールサンプルについてコピー数を確認し、有望なCNVについては2500組の大規模サンプルで追加解析する。このためのプローブ、試薬を要する。
またもう一つの500kb以上のサイズを有する可能性のあるCNVについてサイズ確認のための解析を行うため複数のプローブを設定し家系サンプルを解析する。500kbを超えることが確認できた場合には200組および2500組のケースコントロールサンプルで解析をする可能性がありそのためのプローブ、試薬を要する。
結果については国際誌に発表する予定であり投稿費用を要する。また国内学会にて結果の発表を予定しており旅費を要する。

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Published: 2014-07-24  

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