2013 Fiscal Year Annual Research Report
統合失調症多発罹患家系において見出された稀もしくは長大なコピー数多型の関連研究.
Project/Area Number |
23591669
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
金子 尚史 新潟大学, 医歯(薬)学総合研究科, 非常勤講師 (40515657)
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Keywords | 統合失調症 / コピー数多型 / 多発罹患家系 / 関連解析 / 臨床精神分子遺伝学 |
Research Abstract |
統合失調症多発罹患家系(以下、罹患家系)内において見いだされた500 kbを超える長大なCNVである1q21.2(505 kb)と16q11.2(1,180 kb)のふたつのCNVにつき患者646人および対照者674人からなる症例・対照サンプルで関連解析を行った。前年度に行った解析では、同一症例においてコピー数が不一致な例が見られたことから、同一症例における再現性を向上させるためにすべてのサンプルにおいて各サンプルを2回アッセイし、2回の結果が不一致だった場合にはさらに追加のアッセイを実施した上でコピー数を決定した。罹患家系サンプルにおいては各CNV領域を可能な限りカバーするように、1q21.2については4つ、16q11.2については9つのプローブを用いて解析しコピー数およびCNVの領域を決定した。症例・対照サンプルにおいては1q21.2および16q11.2についてそれぞれHs03160707_cnとHs03940287_cnの1つずつのプローブを用いてアッセイした。 罹患家系内において欠失(コピー数1)が認められた1q21.2は、対照群においてコピー数0からコピー数4までが認められ、2コピー以外の頻度が34.0%であり、コピー数の頻度は症例群との間に有意差は見られなかった。16q11.2においても罹患家系内では欠失が見られたが、対照群ではコピー数1からコピー数5までが認められ、2コピー以外が30.0%であった。症例群との間に有意差は認められなかった。今回の研究では、日本人統合失調症多発罹患家系に認められた二つの500kb以上の長大なCNVは、日本人においてcommonなCNVであり統合失調症発症との関連は認められなかった。
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