2011 Fiscal Year Research-status Report
アディポカインと糖尿病関連遺伝子を用いた抗精神病薬誘発性糖脂質代謝異常発症の予測
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23591670
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鈴木 雄太郎 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (60377158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
染矢 俊幸 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50187902)
福井 直樹 新潟大学, 医歯学系, 助教 (90535163)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 副作用予防 |
Research Abstract |
本研究は、第2世代抗精神病薬(SGA)がアディポカインに与える影響を薬剤間比較し、更に遺伝子情報を用いることによって、SGAによる糖脂質代謝異常発症の予測因子を明らかにしようとするものである。今年度は以下の結果を海外一流誌に発表した。1.SGAによる治療を受けている日本人統合失調症患者群450名と健常コントロール群200名との間で各種アディポカイン値を比較した所、SGA群でアディポネクチン濃度が低下し、レプチン濃度は上昇していた(Sugai et al., J Clin Psychopharmacol in press)。2.同一個体においてオランザピンからアリピプラゾールへの置換後、アディポネクチン及びレプチン値は上昇し、TNF-αは低下した(Suzuki et al., J Clin Psychopharmacol 2011)。3.内科領域でのGWASで得られた糖尿病関連遺伝子である、GIP受容体多型がオランザピンによる耐糖能異常と関連していた(Ono et al., Pharmacogenomics J 2011)。1は横断研究にて、SGA間で各種アディポアカイン値が異なることを明らかにし、アディポカインがSGAによる糖脂質代謝異常発症の予測因子になる可能性を示唆した。2では、まだ少数例ではあるが、同一個体においてオランザピン内服時とアリピプラゾール内服時のアディポカイン変化を縦断的に検討し、1の結果を再確認した。一方、3ではオランザピンが引き起こす耐糖能異常を遺伝子情報から予測できる可能性を示した。本研究では、3年間で200症例についてアリピプラゾールとオランザピンを置換し、その前後で各種アディポカインを比較する計画であるが、上記論文が受理されているように、計画は順調であり、評価も得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題について、今年度は既に3編の論文を海外一流誌に発表している。初年度としては順調であると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度、遺伝子解析を行う予定であったが、これはサンプル数が増えてからまとめて行う予定である。このため、今年度未使用額が来年度必要になる。また、今年度は得られた成果の発表をあまり行わなかったため、未使用額が生じた。来年度は一定の成果が得られれば精力的に発表していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
遺伝子解析を開始するだけではなく、得られた成果を積極的に国内外で発表する予定である。このため、予算が必要である。
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Research Products
(10 results)