2012 Fiscal Year Research-status Report
精神病発症高リスク状態と初発統合失調症患者における中間表現系指標の体系的検討
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23591687
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
久住 一郎 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30250426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 侯輝 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40455663)
橋本 直樹 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40615895)
豊巻 敦人 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (70515494)
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Keywords | ARMS / スイッチング課題 / 内発課題 / 外発課題 / 事象関連電位 / 統合失調症 |
Research Abstract |
北海道内の精神科医療機関初診患者における at risk mental state(ARMS)患者の有病率を把握することを目的に、精神科クリニック、大学病院、総合病院精神科を初診した患者のうち16-30歳の患者を対象に、スクリーニングのための自記式質問紙PRIME screen日本語版(PRIME-J)、主観的抑うつに関する自記式質問紙PHQ-9を施行し、PRIME-Jがカットオフポイント以上の対象者に対しては、より詳細な症状と重症度把握のための構造化面接であるSIPS/SOPSを施行した。その結果、対象患者157名のうち、ARMS患者は25名(15.9%)で、平均年齢は22.5歳であった。 遂行機能のうち自発的な意志に関わる処理過程を検討する目的で、ルール切り替えに特化したスイッチング課題を新規に作成した。内発課題と外発課題負荷時の行動成績と事象関連電位を計測し、健常者と統合失調症患者で比較検討した。健常群、統合失調症群両群とも、内発課題、外発課題において、ルールを切り替える時に切り替えない時に比べて反応時間が延長し、正答率が低下した。外発課題では、両群ともルール切り替えを要求する手がかり刺激時に事象関連電位の後期陽性成分が増大した。内発課題では、健常群で維持を要求する手がかり刺激時に後期陽性成分が増大したが、統合失調症群では認められなかった。今回新規に作成したスイッチング課題は統合失調症に特異度の高い、簡便な認知機能指標であることが確認されたとともに、統合失調症患者では、自発的な行動に必要な、行動を予期する内発的な構え、動機づけを生成する意志に関わる高次機能に困難があることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ARMS患者のリクルートは完了したが、それらの患者を対象とした中間表現型指標の測定が進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はARMS患者や初発統合失調症患者を対象とした中間表現型指標の測定が進むことが期待される。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の研究費は経費の節減により少額次年度に持ち越すことになったが、この研究費は平成25年度の研究費と合わせて予定された研究計画に沿って、ARMS患者や初発統合失調症患者の中間表現型指標測定にかかる経費として使用する予定である。
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Research Products
(4 results)