2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23591692
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
川勝 忍 山形大学, 医学部, 准教授 (00211178)
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Keywords | 嗜銀顆粒性認知症 / MRI / VSRAD / voxel-based morphometry / アポリポ蛋白E / SPECT |
Research Abstract |
嗜銀顆粒性認知症(DG)は、高齢者ではアルツハイマー型認知症(AD)と並んで多い変性性認知症だが、病理学的診断であり臨床診断ができるかは不明であった。本研究では、過去の剖検例等の報告や村山らの報告を基に、A)臨床像として1)65歳以降発症、2)緩徐進行性の記憶障害、3)前頭側頭型認知症類似の人格変化、易怒性、攻撃性、4)妄想のいずれか2つの特徴と、B)画像所見として、通常CTまたはMRI軸位段で、側頭葉内側前部の萎縮(迂回回萎縮に相当)があること、を暫定的なDGの診断基準として以下の検討を行った。65歳以降発症のAD100例、DG100例を診断し、VSRAD advanceを用いたMRI Voxel-based morphometry (VBM)とアポリポ蛋白E(ApoE)多型を検討した。AD群とDG群で、年齢はそれぞれ80.2±5.5歳と82.2±5.3歳、罹病期間3.45±2.13年と3.61±2.42年、MMSE19.2±4.0点と18.2±5.7点、でいずれも両群に有意差はなかった。VSRAD advanceによる側頭葉内側部のZスコアの平均は、AD2.25±0.81、DG3.79±1.21と有意にDGで同部の萎縮が高度であった。ApoEのε4の保有者はADで59%、DGで31%で、DGで有意にε4保有者が少なかった。ε2の保有者はADで6%、DGで9%で有意差はなかった。DGの病理学的病期分類では、認知症を呈する3期では、迂回回を中心に扁桃体や側頭葉内側部の萎縮が強く現れるので、通常の軸位段のMRI画像で側頭葉内側前部の萎縮を指標にすれば、DGの診断が可能であると考えられる。VSRADで症状が軽いのにZスコアが高値な例はDGの可能性が高い。また、ApoEのε4の保有率は、DGではADに比べて有意に低く、ADと遺伝的背景も異なることが臨床例で示された。
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Research Products
(9 results)