2013 Fiscal Year Research-status Report
月経前不快気分障害の病態発生に関した前方視的調査研究
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23591702
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
岡野 禎治 三重大学, 保健管理センター, 教授 (90169128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 隆 東北大学, 大学病院, 准教授 (10263005)
高山 恵理奈 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90589847)
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Keywords | 月経前気分不快障害 / 産後うつ病 / マタニティブルーズ |
Research Abstract |
出産後の性周期再開後から出現するPMDD(Premenstrual Dysphoric Disorder)の発現頻度、その危険因子を調べるため、1)妊娠後期にPMDDの評価尺度(PSST)、HADS(Hospital Anxiety and Depression Scale)、産科的要因、社会心理的要因などの調査用紙を、2)産後5日目に、Stein のMaternity blues尺度、Edinburgh Postnatal Depression Scale(EPDS)を、3)産後1か月後にEPDS,HADS,出産要因、社会的要因などを、4)産後6か月目には、性周期再開群にはPSST,EPDS,HASDを用いて、性周期再開後のPMDDの発現を、5)産後1年後にも、性周期再開群にPSST,EPDS,HASDを用いて、PMDDの発現、不安・抑うつについての調査を開始した。妊娠後期の同意率は80%と高く、2014年2月の段階で98名のエントリー数が得られた。産後5日目88名、産後1か月目78名、産後6か月目68名で、産後1年後の回収が始まった。 予備データを解析するため、妊娠後期、産後5日目、産後1か月目のデーターから、PMDDの危険因子として、マタニティブルーズ、産後うつ病との関連をみるために、2014年3月から、統計学的解析を開始した。エントリー数が高く、しかも継続率も高いため、今後産後1年目のPMDDの有病率のデータ集積が期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年間のエントリー数は、100名に到達して、予想よりも高い同意率が得られた。さらに、6か月までの調査用紙の回収率も80%以上にいたり、統計学的に必要な母集団が集積されている。
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Strategy for Future Research Activity |
1年後の時点での性周期再開率は、80%以上を見越していることから、300名の母集団におけるPMDDの有病率が、本邦では最初に明らかにできる。また、産後うつ病、マタニティブルーズとの危険因子との関連も統計学的に解析できれば、これまでのPMDDの予防的な治療にも研究が発展できる可能性も生じる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究開始の初年度にPMDD(月経前気分不快障害)のスケールの日本語版翻訳について、版権元のMcMaster大学の版権関連センターとの間に、使用方法、アンカーポイントの設定についての交渉が予想以外にも遅延したため、研究開始が遅れた。そのため、初年度の年間の使用額が、そのまま、次年度に持ち越した。 今年度は、予備調査の統計解析を行い、PMDDとマタニティブルーズ、産後うつ病の関連について、国際学会での発表を実施する予定である。
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