2013 Fiscal Year Annual Research Report
プレセニリンγセクレターゼによるNICD、アミロイドβなどの産生機構の解析
Project/Area Number |
23591703
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田上 真次 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40362735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大河内 正康 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90335357)
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Keywords | Alzheimer disease / gamma secretase / amyloid beta / presenilin / Notch-1 / GSM |
Research Abstract |
アルツハイマー病(AD)脳に特異的に認められる老人斑の主たる構成成分は42アミノ酸からなるAmyloid beta42(Abeta42)であり、AD病理の本体はこのAbeta42の凝集過程にあるのではないかと考えられている。Abetaは前駆体であるbetaAPPがBACEとγセクレターゼによる段階的蛋白分解を受けて産生される。重要なことにγセクレターゼによる切断の正確さがプレセニリンやbetaAPPの病原性突然変異だけではなくγセクレターゼ修飾薬(GSM)により変化することがわかった。しかしながらこれらの薬剤の作用機序は不明であった。またγセクレターゼにはbetaAPP以外にも数十の基質がある。その中でも生物学的に最も重要な活性を持つのはNotch-1受容体である。γセクレターゼはNotch-1の細胞膜ドメインを切断し(S3切断)、幹細胞維持などに重要な役割を担うNotchシグナルに必須の分子、NICDを産生する。GSMがS3切断にも影響を及ぼすかどうかも詳細がわかっていない。 本研究ではS3切断の多様性がAbeta42産生を特異的に阻害する薬剤により変化するかどうかの検討を行った。その結果S3切断の多様性は、検討したGSM数種およびinverse GSM数種により、いずれも変化しなかった。以上の結果より、GSMは病原性の高いAbeta42の産生をより選択的に阻害することが示唆された。また、最終年度ではGSMがどのようなメカニズムでAbeta42の比較的産生量を増減させているのかを詳細に検討した。その結果、重要なことにi)GSMはAbeta42からAbeta38への切断を促進しているii) GSMはAbeta42がγセクレターゼから解離するのを遅延させていることを発見した。
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[Journal Article] Transcriptome analysis of distinct mouse strains reveals kinesin light chain-1 splicing as an amyloid-β accumulation modifier.2014
Author(s)
Morihara T, Hayashi N, Yokokoji M, Akatsu H, Silverman MA, Kimura N, Sato M, Saito Y, Suzuki T, Yanagida K, Kodama TS, Tanaka T, Okochi M, Tagami S, Kazui H, Kudo T, Hashimoto R, Itoh N, Nishitomi K, Yamaguchi-Kabata Y, Tsunoda T, Takamura H, Katayama T, Kimura R, Kamino K, Hashizume Y, Takeda M.
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Journal Title
Proc Natl Acad Sci U S A.
Volume: 111
Pages: 2638 2643
DOI
Peer Reviewed
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