2013 Fiscal Year Annual Research Report
21世紀の統合失調症の発症危険率や精神医学的臨床症状の変化に関する調査研究
Project/Area Number |
23591715
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中根 秀之 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (90274795)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 悟郎 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00253691)
木下 裕久 長崎大学, 大学病院, 講師 (10380883)
一ノ瀬 仁志 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60404216)
|
Keywords | 精神医学 / 統合失調症 / 発症率 / 疫学 |
Research Abstract |
統合失調症の発生率は、わが国ではWHOのDOSMeD研究として長崎市で実施され、年間発生率人口万対1、広義の基準では2という値が報告されているが、実際、早期支援・医療サービスの量を規定する精神病新規発症率のデータはなく、今後の早期支援・医療サービスを確立していくために必須である。本調査では、若年人口における精神病の新規発症率等を疫学的研究によって把握、早期支援および医療サービスの需要と資源配分の目安を解明するためのエビデンスを得ることにより、改革ビジョンの柱である普及啓発等の精神保健福祉行政の基礎資料とする。 研究対象者は、長崎市近郊の精神科医療機関および公的施設(保健所等)を受診した長崎市に在住する初診患者である。その他、精神病の訴えで受診し、年齢は65歳までを条件とする。各機関の主治医が調査に参加可能であることを検討する。その上で、長崎大学より調査員を派遣し、改めて研究の趣旨を説明し参加の同意を得ることができた患者にのみ調査を行った。登録期間を平成23年8月1日~平成24年7月31とした。 評価内容は、初めに CAARMSを用いて顕在発症を確認し、診断にM.I.N.I.を、精神症状の詳細についてPANSSを使用した。加えて、PPHSによる患者背景、社会機能、処方内容についても情報の収集を行った。 平成23年8月1日から平成24年7月31日までの12ヶ月間の調査期間において,CFNからの情報総数は131例であった。面接実施29例中、閾値上精神病発症は25例、閾値下精神病1例、地域対象外2例(長崎市在住との誤情報あり面接実施)であった。 M.I.N.I.による精神医学現在診断については,精神病性障害が25例、大うつ病エピソード6例、軽躁病エピソード1例、精神病像を伴う気分障害7例であった。昭和53年~54年に長崎市で実施されたWHO共同研究DOSMeD Studyと比較したところ、概算では年間新規発症率が低い値となることが現在までの調査で推定された。
|
Research Products
(1 results)