2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23591720
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
丹羽 真一 福島県立医科大学, 医学部, 名誉教授 (30110703)
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Keywords | 統合失調症 / 社会認知 |
Research Abstract |
統合失調症では神経認知とともに社会認知の機能に障害があることが分かっており、それらの障害が長期的な社会生活機能の予後に強く関連していると考えられている。神経認知機能に関しては比較的簡便で標準化された検査バッテリーが開発され、一般に用いられている。しかし、社会認知に関してはそれが複雑な機能であるだけに比較的簡便で標準化された検査バッテリーは開発されていない。本研究が簡便で標準化された社会認知の検査法開発を目指す理由はここにある。 本研究はPennらのモデルを元に自己認知を追加する形で社会認知を規定し「統合失調症のための包括的社会認知検査バッテリーABCSoCS(A Battery for Comprehensive Assessment of Social Cognition in Schizophrenia)-β版」を作成し、このテストバッテリーを統合失調患者および統合失調症患者対して実施した。実施結果から、5因子を想定して因子分析を行った。その結果、第1因子を「コミュニケーション能力」第2因子を「自己認知」、第3因子を「行動・目的の選択」、第4因子を「攻撃性」、第5因子を「敵意と非難」と命名した。特に第1因子は他者の感情の知覚や心の理論を含み、場面にそぐわない行動や目的を考え、コミュニケーションに活かす能力の因子であると推定される。これは想定されなかった因子と言える。第2因子から第5因子についてはPennらのモデルに含まれる因子を概ね肯定していると考えられた。この事から、新たにコミュニケーション能力の因子を含む社会認知機能の因子構造が示唆された。 このABCSoCS-β版の検査データをもとに、今後も研究を進めて、社会機能と関連を持ち統合失調症の社会認知を包括的に評価できるABCSoCSを作成したい。またより使いやすい短縮版であるABC-D(ABC-Dissemination version)の開発を進めたい。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] A new instrument for measuring multiple domains of social cognition: Construct validity of the Social Cognition Screening Questionnaire (Japanese version)2014
Author(s)
Ayako Kanie, Kumiko Hagiya, Sayaka Ashida, Shenghong Pu, Koichi Kaneko, Tamiko Mogami, Sachie Oshima, Maki Motoya, Shin-ichi Niwa, Akiko Inagaki, Emi Ikebuchi, Akiko Kikuchi, Syudo Yamasaki, Kazuhiko Iwata, David L Roberts and Kazuyuki Nakagome
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Journal Title
Psychiatry and Clinical Neurosciences
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed
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