2011 Fiscal Year Research-status Report
高機能広汎性発達障害の子どもを持つ母親に対する家族心理教育プログラムの効果
Project/Area Number |
23591723
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山田 敦朗 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10315880)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 範雄 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20464563)
香月 富士日 名古屋市立大学, 看護学部, 准教授 (30361893)
西山 毅 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40571518)
鈴木 真佐子 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 臨床研究医 (70617860)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 広汎性発達障害 / 家族心理教室 / 母親 / 育児負担 / 生活の質 |
Research Abstract |
この研究は「高機能広汎性発達障害の子どもの母親への家族心理教育は母親の精神的健康度に変化を及ぼす。また、母親の生活の質、育児負担度の改善に効果がある。また、子どもの障害特性に基づく行動の改善に効果がある。」という仮説を設定し、家族心理教育の効果を明らかにすることを目的とした無作為割り付け比較試験である。わが国では広汎性発達障害の母親に対する心理教育やグループ・セッションは広く行われているが、その効果の検証は今までほとんど行われてこなかった。今回我々は、その効果の検証を目的として研究を実施した。名古屋市立大学こころの医療センター外来および同小児科外来、豊川さくら病院で研究対象者を募集し平成24年3月までに72人の同意を取得した。これら全員にベースライン・アセスメントとしてGHQ28(精神的健康度評価項目)、SF-36(健康関連QOL評価項目)、J-ZBI(介護負担度評価項目)、ABC-J(子どもの異常行動評価項目)による評価を施行した上で、名古屋市立大学病院臨床試験管理センターにて介入群と対照群に無作為割り付けを行い、36人が介入群に、36人が対照群に割り付けられた。介入群に対しては、2週間に1回2時間、計4回の家族心理教育のセッションを施行し、セッション終了時である8週後、経過観察のための20週後にベースライン時と同様のアセスメントを行った。家族心理教育のセッションは(1)広汎性発達障害の医学的な説明、(2)子どもの問題行動への対応、(3)就学・社会資源について、(4)母親の心身の健康についての情報提供の各1時間の教育セッションと、1時間のセルフヘルプとエンパワーメントを目的としたグループ・セッションで構成した。対照群は介入群と同時期の8週後、20週後に評価を行い、20週の評価後に家族心理教育のセッションを施行した。現段階までで介入群36人中30人と対照群36人中30人のデータを得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた目標症例数は64例であり、調査期間は平成23年10月1日より1年間、追跡期間は平成23年12月31日までであった。実際の調査および実施は平成23年9月1日より開始できたが、目標症例数を集めるために平成24年3月31日まで延長した。これに伴い、追跡期間も平成24年5月31日まで延長を予定している。以上の期間内に介入群36人中と対照群36人の計72人に対して、研究の同意を得て、実際に割り付けを行い、現段階までで家族心理教育の実施を終了し、介入群36人中30人と対照群36人中30人からデータを得た。
|
Strategy for Future Research Activity |
現段階で得られていない介入群36人中6人と対照群36人中6人の最終評価を行い、データを収集する。その後得られたデータを入力し解析する。それに基づき平成24年7月に第20回国際児童青年精神医学会にてポスター発表を行う。その後は、平成24年9月までに論文にまとめ投稿し、平成25年1月までの受理を目指す。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国際児童青年精神医学会の旅費、学会発表時に用いるポスター作成費用、論文作成における英文校正費用、論文の投稿費用などに主に使用していく。
|