2011 Fiscal Year Research-status Report
数理モデル解析を用いた機能的MRIによる強迫性障害の意思決定神経基盤の解明
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23591724
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
成本 迅 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30347463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川脇 沙織 (田中 沙織) 大阪大学, 社会経済研究所, 准教授 (00505985)
山田 惠 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80315960)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 強迫性障害 / 意思決定 / 機能的MRI / 計算論 |
Research Abstract |
強迫性障害の病態には行動選択における衝動性が関与していると考えられており、その神経基盤としては皮質線条体回路とセロトニン神経系が関連していることが示唆されている。これまでの研究から、強迫性障害患者においては腹側線条体、島皮質前部を中心とする短期の報酬予測に関与する脳領域の活動が優位になっていると仮説をたてている。この仮説を検証するために、機能的MRIにより測定した報酬課題遂行中の脳活動の数理モデル解析と、拡散テンソル画像、安静時の機能的MRIによる機能的結合の評価、構造画像による体積測定を組み合わせてマルチモーダルに評価する。また、選択的セロトニン再取り込み阻害薬による治療後再検し、脳活動の変化を検討する。 本年度は強迫性障害患者のベースラインデータと健常者のデータ収集を行った。これまでに強迫性障害患者16名のベースラインデータと健常者22名のデータ収集を終え、現在解析中である。また、安静時の機能的MRIが測定できた強迫性障害患者26名と健常者27名のデータを用いて脳領域間の機能結合について強迫性障害患者と健常者の差異を検討したところ、強迫性障害患者群において視床背内側核と左被殻の結合が症状の重症度と負の相関をしていることを見出し学会で発表した。このことは、強迫性障害の病態生理に線条体を中心とする神経回路の不均衡が関係することを示唆している。 脳構造画像については、行動選択に関与する前部帯状回の体積を用手的に測定しており、測定が終了すれば他の脳領域や臨床指標との相関解析を行う予定にしている。次年度以降に治療後のデータを収集し、治療前後の脳活動の変化について検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り未服薬の強迫性障害患者について報酬課題を用いた機能的MRIのデータ収集を終え、解析を進めているが、治療後のデータについては平成24年度以降収集する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に収集した治療前のデータの解析を進め、結果を学会及び論文で発表する。引き続き治療後のデータ収集を進め、治療前後の比較を行う。また、構造画像、拡散テンソル画像、安静時機能的MRIのデータ解析を進め、論文にまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
治療後のデータが収集できていないことから次年度に使用する予定の研究費が生じた。次年度は、外来の体制を強化して治療後のデータが収集できる体制を整えることでドロップアウトを防ぐ対応をとる。
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Research Products
(6 results)