2011 Fiscal Year Research-status Report
有機溶剤初期乱用者の病態に関する神経科学的研究および治療薬の開発
Project/Area Number |
23591725
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
福居 顯二 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50165263)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 有機溶剤 / 神経画像 |
Research Abstract |
本研究では、乱用開始後1年以内の有機溶剤乱用初期の患者を対象とし、乱用初期の脳の障害を明らかにし、その治療法を確立することを目的としている。このため、京都府立医科大学附属病院精神神経科および京都府下の単科精神科病院に、通院あるいは入院中の有機溶剤乱用初期患者20名と、患者群と背景情報をマッチさせた対照群20名を目的に、脳血流画像検査として123I-IMP SPECTを、有機溶剤による白質の線維連絡障害を評価するために拡散強調画像(diffusion tensor image:DTI)の撮像を施行予定で、併せてWAIS-R、WMS-R、WCSTの神経心理学検査と精神症状評価(PANSS,SANS)をおこない、これらの検査結果を総合的に解析する予定である。 本年度は、対象となる初期有機溶剤乱用者のデータ収集を行う予定であったが、われわれの施設にも、他の関係病院にもこの基準に合致する初期有機溶剤乱用患者に該当するケースがなく、本年度は方法論をさらに確立するために、123I-IMP SPECTと拡散強調画像(diffusion tensor image:DTI)について、摂食障害、強迫性障害、認知症患者において施行し、引き続き安定した撮像と解析が可能となることを確認するに留まった。また、これら3疾患においてWAIS-Rや神経心理学検査、精神症状評価(PANSS,SANS)を施行して、その結果から統計的技法についてもシミュレーションをおこなった。 次年度は、引き続き関係機関との連携を密にして対象患者のリクルートにさらに力を入れる予定であり、初期有機溶剤乱用患者のみならず、初期から中期にかけての乱用者(約3~5年の吸引歴)についても対象に繰り入れ、有機溶剤乱用による神経系に対する生物学的侵襲すなわち、機能的・器質的変化の有無を神経画像のアプローチにより把握することも検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の研究予定は、対象となる初期有機溶剤乱用者のデータ収集であるが、われわれの施設にも、他の関係病院にも外来・入院患者にこの基準に合致する初期有機溶剤乱用患者に該当するケースがなく症例のリクルートができなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き関係機関との連携を密にして対象患者のリクルートにさらに力を入れる予定であり、初期有機溶剤乱用患者のみならず、初期から中期にかけての乱用者(約3~5年の吸引歴)についても対象に繰り入れ、有機溶剤乱用による神経系に対する生物学的侵襲すなわち、機能的・器質的変化の有無を神経画像のアプローチにより把握することも検討している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度は実際のデータ収集に入れなかったため次年度に使用する予定の研究費が生じた。次年度は、対象患者、及び健常者のデータ収集のための費用、研究成果の発表のための旅費、学会参加費、論文作成の際の英文校正への使用を計画している。
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