2011 Fiscal Year Research-status Report
睡眠覚醒リズムからみた集中治療環境でのせん妄病態とメラトニンアゴニスト治療の効果
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23591731
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
高江洲 義和 東京医科大学, 医学部, 助教 (90421015)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 睡眠障害 / せん妄 / メラトニン / 概日リズム睡眠障害 |
Research Abstract |
せん妄は、その臨床経過と症状の日内分布特性から、概日リズム障害の病態への関与が推測される。今回我々は、せん妄発現率の高いCCU(coronary care unit)入院中の高齢急性冠症候群(acute coronary syndrome:ACS)患者を対象として、睡眠・覚醒状態、概日リズム指標である尿中のメラトニン代謝産物、深部体温を5日間連続測定し、せん妄発現リスクと生体リズム障害との関係を検討した。 第一段階研究として、集中治療環境でのせん妄病態の解明のために、CCUに新規入院した60歳以上のACS患者に対して、尿中6-SMT(6-sulphatoxymelatonin)計測、深部体温測定、アクティグラフ装着記録、同時にせん妄の重症度評価尺度であるDelirium Rating Scale-Revised-98(DRS-R-98)、睡眠の自己評価尺度であるセントマリー病院睡眠調査票(St. Mary’s hospital sleep questionnaire :SMH)を評価した。 現時点では10人の患者がエントリーしている。CCU入院期間中にDRS-R-98のスコアの悪化を認める症例はいたが、明らかなせん妄を発症した症例は存在しない。今後はさらなる症例の集積を待つとともに、DRS-R-98、SMH、尿中6-SMT、アクティグラフの解析を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予想よりもエントリー可能な症例が少なく、現時点での症例が少ない。また、身体的に比較的に軽症な患者が対象になっているため、CCU入院期間が短く、せん妄の発症率が低いため、解析に必要な症例集積に難渋している。
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Strategy for Future Research Activity |
症例の集積を待ち、データの解析、学会発表、論文執筆を行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
尿中6-SMTの検査費用。第二段階研究での健常対象への謝金、6-SMTの検査費用。
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