2012 Fiscal Year Research-status Report
睡眠覚醒リズムからみた集中治療環境でのせん妄病態とメラトニンアゴニスト治療の効果
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23591731
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
高江洲 義和 東京医科大学, 医学部, 助教 (90421015)
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Keywords | 睡眠障害 / 心不全 / メラトニン |
Research Abstract |
心疾患患者に睡眠障害が多く存在していることは知られているが、その原因は明らかではない。メラトニンは内因性に睡眠を調節しているホルモンであり、メラトニン分泌の低下と心血管疾患の発症との関連が報告されている。そのため、本研究では、心疾患患者におけるメラトニン分泌と睡眠の関連を調査し、心疾患患者の睡眠障害とメラトニンの関連性について検討する。また、そののちに、睡眠障害を合併する心疾患患者に対するメラトニンアゴニストの内服投与をし、睡眠障害及び心疾患に関連する循環器指標の改善度の評価を行う。 集中治療環境における心疾患患者のメラトニン分泌と睡眠状態の関係を調べるため、東京医科大学病院CCUに入院した65歳以上の高齢者を対象に、尿中のメラトニン代謝物(6-SMT)の測定、アクチグラフを用いた睡眠客観評価、質問紙による睡眠の主観評価を行った。 また、健常対照として、年齢、性別をマッチさせた健常高齢20人を対象に、手中治療環境類似の施設内で尿中メラトニンの測定、アクチグラフを用いた睡眠の客観評価、質問紙による睡眠の主観評価を行った。 今後はこの結果を解析するとともに、睡眠障害を合併した心疾患患者に対するメラトニン投与の効果を検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
第一段階研究である、CCUにおける心疾患患者の研究対象書を集めるのに予想以上に時間を要した。その理由として、心疾患が重度で研究に対する同意を取得するのが艱難な患者が多かったことと、同意を取得しても研究実施に十分な期間CCUに入室せずに、早期に一般病床へ転床した患者が多かったためと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
第2段階研究である、健常対照者研究の追加実施(CCU患者との対象例数を合わせるため)。及び、循環器内科病棟入院中の睡眠障害を合併した慢性心不全患者を対象に、メラトニンアゴニストの内服投与を行い、睡眠障害と心不全に関連する検査項目の改善度を評価する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
健常対象者研究に参加する健常対象者、研究協力者に対する謝金、尿中6SMTの検査費用。心不全患者に対するメラトニンアゴニストの効果の研究に関わる検査(尿中6SMT、循環器指標)の費用。その他研究実施に必要な諸経費。
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