2012 Fiscal Year Research-status Report
胎児の脳機能発達と母親のストレスとの関連:オリジナル胎動記録装置を用いた検討
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23591737
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Research Institution | The Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
西原 京子 公益財団法人労働科学研究所, 研究部, 特別研究員 (80172683)
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Keywords | 胎児 / 妊婦 / 活動休息リズム / 胎動 / 胎動記録装置 / ストレレス |
Research Abstract |
胎児の動きは、胎児のwell-beingの指標として考えられている。本研究代表者は、妊婦の睡眠中の胎動を測定する胎動ホームモニタリング法を提唱し、胎動センサー・記録・解析装置を開発してきた。この方法は、妊婦自身が手軽に自宅で胎動記録ができるので、胎児のwell-beingだけでなく、胎児の中枢神経の発達の経過を観察できる手段となる可能性がある。本研究は、胎動モニタリングにより胎児の活動・休息リズムの形成過程から脳機能の発達を検討する。特に良好な妊娠経過を経ている妊婦だけでなく、流産が多いとされる看護職の妊婦も対象として、妊娠経過に沿って胎動記録を行う。 本年度は、ストレスの指標と考えられるコルチゾール測定のために、寝る前と起きた直後の唾液も採取した。パイロットケースとして、比較的楽な事務職に就いている妊婦1名と不規則勤務経験者の助産師妊婦1名を被験者とした。参考までに非妊娠女性の睡眠前後の唾液中のコルチゾールも定量した。妊婦の妊娠中の測定日は、妊娠20, 24, 28, 32, 36週で行った。コルチゾールの上昇は、どちらも、20週の起きた直後のレベルが最も高く、これは、実験条件へのfirst night effectとサーカデイアンリズムの影響であり、妊娠経過と影響がないと考えられた。 活動・休息リズムに関しては、解析ソフトを改良し、胎動の解析方法の信頼性を高めた。その後、胎動数をアスキーでだすことにするプログラムを作成し、現在、活動・休息リズム解析をスタートさせた。 この解析ソフトは、胎児発育不全(FGR)の胎動記録の解析にも利用し、その有効性を高め、第48回周産期新生児学会に発表をした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
胎動の活動・休息リズムの解析において、アーチファクト除去に手間取り、さらに胎動データをアスキーにして、次のステップに進む解析に手間どった。特に妊娠後期に出やすい、下肢(Periodic Limb Movements)のアーチファクトが多く、これが胎動信号に影響をしているので、完全に取り除かなければならないという問題が生じた。そこで少々遅れた。 また、ストレスが多いであろうと考えられる妊婦は、なかなか見つからず、とりあえず、妊娠経過と唾液コルチゾールの変化を検討した。例数が少なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年は、研究課題の最終年であるので、上記不十分な点をスピードアップする。また、2年間かかって完成度を高めた、解析ソフトについては、その解析結果を含めて、論文にする。現在、その一部をアメリカ睡眠学会・日本睡眠学会に発表予定である。 本課題目標である、胎児の脳機能の発達をリズム解析から見て、受胎週数経過とともに検討する。また妊婦のストレスレベルを見るために、グループにこだわらす、例数を増やし、妊娠週数のコルチゾールのレベルの変化を見る予定であり、胎児のリズム形成過程と関係があるのか否かを明らかにする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
アメリカ睡眠学会・日本睡眠学会出席の旅費、データ収集のスピードアップのために、エフマムレコーダを購入する予定。 物品費:42万、 旅費:60万、人件費・謝金:30万、その他:40万
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Research Products
(6 results)