2012 Fiscal Year Research-status Report
都市在住高齢者の精神的健康度の把握とハイリスク高齢者へのアウトリーチ型介入の開発
Project/Area Number |
23591740
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Research Institution | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
Principal Investigator |
井藤 佳恵 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (30455836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粟田 主一 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (90232082)
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Keywords | 地域在住高齢者 / 認知症 / アウトリーチ / ハイリスク高齢者 |
Research Abstract |
目的:我々が昨年度行った調査では,郵送による生活機能調査回答未返送の後期高齢女性の中に,高い頻度で認知症/認知症疑いの者が含まれることが明らかになった.今年度は,郵送調査回答未返送の後期高齢男女を対象とした訪問調査を行った. 方法:①東京都A区在住,要介護要支援未認定の65歳以上の全高齢者3270人を対象として,郵送調査を行った.郵送調査票の回答が未返送だった1241人(未回収率38.1%)の内,75歳以上の者413人を訪問調査I対象者とした.②昨年度訪問調査を実施した郵送調査票回答未返送,要介護要支援未認定の後期高齢女性31人を訪問調査II対象者とした.結果:①調査I:対象者413人のうち43人に対して訪問調査を行った.CDR=0が29人,CDR=0.5が5人,CDR=1が7人,CDR=2が1人だった.②調査II:対象者31人のうち,11人が新たに要介護認定を受けていた.対象者30人のうち,15人に対して訪問調査を行った. MMSEの平均±SD=23.0±6.8,中央値26.0(昨年度23.7±5.0,25.0),CDR=0が7人,CDR=0.5が2人,CDR=1が3人,CDR=2が3人だった.昨年度CDR=0.5だった4人のうち,追跡可能だった2人はCDR=1に進展していた.昨年度CDR≧1だった4人については,2人がCDR=1からCDR=2に進行していた. 結論:郵送調査票回答未返送,要介護要支援未認定の後期高齢者の約1割に対して訪問調査を実施した.明らかな認知症の出現頻度は18.6%,認知症疑いを含めるとその出現頻度は30.2%であった.昨年度の訪問調査で検出された地域に潜在する認知症事例は,1年の経過で高い確率でCDRが進行していく可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の研究成果をふまえ,2年目の調査を行った. 潜在認知症高齢者の出現率が低くないことを明らかにするとともに,2年間の縦断研究によってハイリスクケースが抱える社会的問題が示唆された.
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Strategy for Future Research Activity |
郵送による生活機能調査によりハイリスク群を抽出し,訪問調査によりハイリスクケースを把握し,ハイリスクケースを地域包括支援センターにつなげるという,一連の研究事業として位置づけることを今後の研究目標とする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
①訪問調査を委託する訪問看護ステーションへの委託費 ②データ入力委託費 ③成果発表のための経費(論文掲載料,学会参加費,学会旅費) ④その他雑費,諸経費
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Research Products
(6 results)