2013 Fiscal Year Annual Research Report
都市在住高齢者の精神的健康度の把握とハイリスク高齢者へのアウトリーチ型介入の開発
Project/Area Number |
23591740
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
井藤 佳恵 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (30455836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粟田 主一 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (90232082)
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Keywords | 地域在住高齢者 / 認知症 / 地域保健 / アウトリーチ |
Research Abstract |
東京都A区で行った郵送調査によって,健診未受診の女性後期高齢者は精神的健康度が低いハイリスク群であることが明らかになった. 郵送調査の回答未返送の女性後期高齢者はよりリスクの高い集団ではないかとの仮定のもと,平成23年度から平成25年度の3か年にかけて,郵送調査回答未返送の地域在住後期高齢者を対象とした訪問調査を行った.その結果,①地域には高い頻度で認知症高齢者が潜在すること,②地域に潜在する認知症事例では,1年の経過で高い確率で認知症の臨床ステージが進行していく可能性があること,③地域に潜在する認知症事例では,訪問調査によって把握された後も介護保険サービスの導入と十分な利用が困難な傾向が認められることが明らかになった. 3か年の研究から,介護保険の枠組みで処遇することが困難な認知症高齢者に対する有効なアプローチ方法を構築していく必要性が課題と考えられた. そこで調査対象者による介護保険外サービスの利用を調査したところ,サービス利用はほとんどないことが明らかになった.認知症等を抱えるハイリスク群が自分に有益な情報にアクセスし,それを利用していくことの困難さを考えれば,訪問型の事業が必要であると考えられる.従って,介護保険制度の枠組みの中で処遇することが難しいハイリスク高齢者に対して,介護保険サービス外の自治体独自のサービスによる支援体制を構築していく必要があり,その中に訪問型事業を組み込むことが必要と考えられた. 平成25年度より訪問型事業の構築に取り組み,その有用性の検証を始める段階である.
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Research Products
(2 results)