2011 Fiscal Year Research-status Report
IVIM-MR画像を用いた腹部臓器の機能診断および腫瘤の質的診断
Project/Area Number |
23591758
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
渡邊 春夫 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (30456529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼松 雅之 岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (40252134)
五島 聡 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (90402205)
近藤 浩史 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (20324311)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 肝結節診断 / IVIM / 拡散強調画像 |
Research Abstract |
Intravoxel incoherent motion(IVIM)MR画像を用いて肝結節のD,D*およびf値を計測し,肝結節の良悪性診断および質的診断に対する有用性を検討した.IVIM-MR画像が撮像された患者74例における,悪性肝結節(肝転移:34結節,肝細胞癌:32結節),良性肝結節(肝血管腫:33結節,肝嚢胞:21結節)の120結節を対象とした.IVIM-MR画像は,異なる10個のb値(0, 10, 20, 30, 50, 80, 100, 200, 400, 800 sec/mm2)を用いて,呼吸同期下で撮像された.それぞれの肝結節ごとに,平均D,D*およびf値を計測し,多重比較した.悪性肝結節の平均D値(肝転移:0.98±0.39×10-3 mm2/sec,肝細胞癌:1.00±0.30× 10-3 mm2/sec)は良性肝結節の平均D値(肝血管腫:1.77±0.46×10-3 mm2/sec,肝嚢胞:2.53±0.21 10-3 mm2/sec)よりも低値を示した(P<.001).肝血管腫の平均D値は肝嚢胞の平均D値よりも低値を示した(P<.001)が,肝転移結節と肝細胞癌結節の平均D値に有意差を認めなかった(P = .99).肝嚢胞の平均D*値(18.18±23.56×10-3 mm2/sec)は,他の結節の平均D*値(肝転移:124.70±88.68×10-3 mm2/sec;肝細胞癌:107.23±79.07×10-3 mm2/sec;肝血管腫;119.80±72.32×10-3 mm2/sec)よりも低値を示したが,他の結節群で有意差は認めなかった.平均f値にはいずれの結節群においても有意差は認められなかった.肝結節の平均DおよびD*値は良悪性の診断に有用である可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝結節に対する有用性については,十分な検討ができたが,肝機能診断についてはこれから検討する必要がある.肝以外のその他の臓器における腫瘤診断や機能診断についても着手する必要がある.
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Strategy for Future Research Activity |
肝以外の腹部臓器や骨盤臓器の症例を蓄積する必要がある.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
さらに多量のデータを解析する必要があるため,データ保存用の媒体や解析用の機器が必要と思われる.また研究成果の発表などのための旅費が必要になることもある.
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