2012 Fiscal Year Research-status Report
無被曝画像による乳癌術前計画の臨床的有効性の研究とシミュレーションシステムの確立
Project/Area Number |
23591759
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐竹 弘子 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (00324426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長縄 慎二 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50242863)
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Keywords | 画像診断学 |
Research Abstract |
・前年度行った乳癌術前MRIについて対象症例を更に増やし、病理所見との比較、選択された術式の妥当性について評価を行った。乳癌術前MRIの画像診断は背景乳腺の造影効果によって影響されることが明らかになり、術式選択にも影響をおよぼす可能性が判明した。また、背景乳腺の造影効果は、超音波所見からその程度を予測できる可能性が示唆された。これらのことを海外の学会で報告した。 ・乳癌の術前に腹臥位MRIと背臥位CTが撮像された50症例を対象に、腹臥位と背臥位における病変の移動について研究を行った。腹臥位において、乳房の外側領域や上方領域に位置する病変の移動は複雑で予測が困難なことが判明した。一方で内側下方領域に位置する病変は、その方向や距離が予測できる可能性が示唆された。乳腺のMRIの欠点は手術と異なる腹臥位で撮像されることであるが、内側下方領域の病変は、手術時にその位置を想定できる可能性が考えられた。これらの結果を、国内外の学会において報告した。 ・Realtime virtual sonographyを用いて、乳癌の術前にシミュレーションを行った症例を対象に、病理所見との比較と局所制御についての評価をretrospectiveに行った。断端陽性率や局所再発率は、Realtime virtual sonographyを用いない症例とほぼ同等であったが、これはRealtime virtual sonographyを用いた症例は乳癌が広範に広がっており温存療法が難しい症例が多かったためと思われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
・統一された画像撮像プロトコールや治療方針で遂行されている乳癌症例が計画より少なく、症例の蓄積に遅延をきたしている。現在も症例の蓄積は続行中であり、今後より多い対象数で解析を進める予定である。 ・論文の執筆、作成が後れている。
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Strategy for Future Research Activity |
・乳癌術前MRIの解析については、論文を作成し報告する。 ・乳癌従前MRIとCTを用いた乳房病変の移動の解析についても論文を作成し報告する。 ・乳癌の術前画像評価のシミュレーションシステムであるRealtime virtual sonographyの研究については前向きに症例数を蓄積し、平成24年度までに試行した症例と併せ、その有効性を乳癌術後の臨床的・病理学的結果と比較することによって明らかにする。また、ソフトの開発も同時に行い、使用性の向上をはかる。結果について学会で報告する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・研究のデータベースの作成や解析のためには専用のパソコンが必要であり、解析には統計解析ソフトが必要である。また、これらを保存しておくための保存用ディスクが必要である。 ・研究を有効的に進めるには常に国内外で最先端の情報収集が必要である。国外では、最新の情報収集と発信が最もグローバルに行える北米放射線学会(シカゴ)に出席し成果発表を行う予定である。本研究では、乳癌の臨床的意義の高い知見が多く含まれており、これらを実証した段階で迅速に論文化する予定である。 ・研究資料の取り寄せや整理に対する謝金が必要である。また、論文作成に対する英文校正への謝金が必要である。
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