2013 Fiscal Year Research-status Report
無被曝画像による乳癌術前計画の臨床的有効性の研究とシミュレーションシステムの確立
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23591759
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐竹 弘子 名古屋大学, 医学部附属病院, 准教授 (00324426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長縄 慎二 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50242863)
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Keywords | 画像診断学 / 乳癌 / MRI |
Research Abstract |
1. 前年度までの研究で、乳癌術前MRIにおける背景乳腺の造影効果が、術式の決定や温存療法の奏功に影響を与えていることが判明した。また、背景乳腺の造影効果の程度は、乳腺超音波検査における背景乳腺の観察や、閉経の有無、MRI拡散強調像における背景乳腺の状態によって予測可能であることが示唆された。これらによって、背景乳腺の造影効果が高度と予測される症例を選択し、月経周期を考慮して乳癌術前MRIをスケジュールすることが有効的であると考えられた。これらの結果について、論文の作成を行った。 2. 前年度までの研究で、乳癌の腹臥位MRIと背臥位CTにおける病変の移動において、内側下方の病変が最も移動の予測が可能であり、外側上方の病変が最も予測困難であることが判明した。更に、今年度は、移動に影響を与えると思われる因子を追加して検討を行い、体位変換による病変移動を最も強く予測する因子について解析を行った。これらの結果について、論文の作成を行った。 3. Realtime virtual sonography(RVS)を用いた65症例をretrospectiveに検討し、RVSによるMRI発見病変の同定率が通常のsecond-look USよりも高いことが判明した。また、平成25年度に術前化学療法を施行した症例4例に対し、術前マーキングをRVSガイド下で行い、全ての症例で切除断端陰性の結果を得ることができた。これらの結果について、国際学会で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究においては、検証・解析は終了し結果は得られている。しかし、当初の研究計画では、平成25年度までに、その成果報告および論文投稿まで行う予定であったが、これらについては遅延している。論文は、現在作成中で、完成後に投稿の予定である。研究の遅延によって、当初、本研究課題の補助事業期間は平成23年度~25年度までであったが、成果報告・論文作成をし研究を完遂することを理由として、平成26年度までの期間延長を申請し承認された。
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Strategy for Future Research Activity |
”乳癌術前MRIにおける背景乳腺の造影効果が乳房温存術に与える影響”、”乳癌の腹臥位MRIと背臥位CTにおける病変の移動”について、前年度までに解析された結果をまとめ論文を作成し、英文校正を行った後に、投稿する。また、国内外の学会においても、これらの成果を報告、発信する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究の主題である乳腺MRIやRVSなどの画像診断が、乳癌の術前計画に影響を与えることの検証・解析は終了し、結果は得られている。しかし、平成25年度までに、これらの成果を報告発信し、論文を作成後に投稿する計画であったが、遅延が生じ完了できなかった。これによって、学会発表の旅費や英文校正に計上していた費用を、平成25年度中に使用することができなかった。当初、本研究課題の補助事業期間は平成23年度~25年度までであったが、期間延長を申請したところ、平成26年度までの延長が承認されたため、平成26年度の使用額として計画を行う。 研究成果発表のための学会旅費および英文校正に対し使用する計画である。
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