2012 Fiscal Year Research-status Report
3テスラDENSE MRIによる左室壁内心筋ストレインの定量的評価
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23591762
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
佐久間 肇 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60205797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 覚也 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (50378353)
永田 幹紀 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (40402028)
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Keywords | 国際情報交換 / スウェーデン |
Research Abstract |
本年度の研究では、拍動する左室や右室の局所心筋ストレインをより高い空間解像度で定量的に評価しカラーマップ表示できる手法を確立するために、3テスラMRI装置を用いたストレインイメージングに関する研究を実施した。本研究はスウェーデンのLinkoping大学の研究グループと密に連絡をよりながら実施し、高磁場による磁場不均一性の影響を受けにくいスパイラル収集をパルス系列に組み込んで研究を実施した。 SENC法は撮影面に垂直のストレインを時間解像度25msで計測できるため収縮期・拡張期の心筋ストレイン・心筋ストレイン変化率を心臓超音波画像解析(スペックルトラッキング)と同程度の高い精度で計測が可能であるが、SENC MRIとスペックルトラッキング超音波法の比較検討がこれまで十分にはなされていないことが明らかになった。このため、正常ボランティア14名を対象に3テスラMRI装置を用いてSENC(Sensitivity encoded)MRIを撮影し、得られた画像をSENC MRIの解析ソフトウェア(Diagnosoft Inc)を用いて解析し左室長軸方向(6セグメント)・短軸方向(4セグメント)と右室長軸方向(6セグメント)の心筋ストレイン・ストレイン変化率の正常値を求めた。 DENSE法に関しては、1.5テスラMRI装置を用いて急性心筋梗塞患者25名を対象に、DENSE MRI、シネMRI、T2強調MRI、安静時心筋血流MRI、遅延造影MRIの撮影を行い、発症6か月後にはDENSE MRI、シネMRI、負荷時―安静時心筋血流MRI、遅延造影MRIを撮影した。急性期の心筋ストレイン低下と局所心筋障害の程度および遠隔期の心筋ストレイン・収縮機能の回復の程度との関連を評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年11月に新規導入された3T MRI装置(Ingenia)では、遅延造影MRIなどの診療用ソフトウェア環境とSENC MRIのソフトウェア環境が統合され安定した臨床研究が可能となった。正常ボランティア14名を対象にSENC(Sensitivity encoded)MRIを撮影し、得られた画像をSENC MRIの解析ソフトウェア(Diagnosoft Inc)を用いて解析し左室長軸方向(6セグメント)・短軸方向(4セグメント)と右室長軸方向(6セグメント)の心筋ストレイン・ストレイン変化率の正常値を求めた。さらに心臓超音波画像解析(スペックルトラッキング)を撮影し、心筋各セグメントにおけるMRIと超音波による心筋ストレイン・ストレイン変化率正常値を比較した。心不全症例6名を対象にSENC MRIおよび心臓超音波画像解析(スペックルトラッキング)の撮影を行い、心筋各セグメントにおけるMRIと超音波による心筋ストレイン値・ストレイン変化率を比較した。SENC法とスペックルトラッキング法の比較に関する研究は非常に順調に進展した。 心筋梗塞患者のDENSE(Displacement encoded imaging with stimulated echo)MRIの撮影にはMRI装置のソフウェアが安定している1.5T装置を使用した。発症7日以内の急性心筋梗塞患者でDENSE MRI 、T2強調MRI、遅延造影MRIが撮影された症例のうち発症6か月後にDENSE MRIを撮影し、25症例における急性期の心筋ストレイン低下と局所心筋障害の程度および遠隔期の心筋ストレイン・収縮機能の回復の程度との関連を評価した。MR装置の研究用ソフトウエアの安定性からDENSEに関する研究には1.5T装置を使用したが、研究計画はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、MRIによる左室および右室ストレインとストレインレートの画像解析法を最適化する。心不全患者20名、慢性期虚血性心疾患患者20名を対象にSENC MRIないしDENSE MRIを撮影し、心筋各セグメントにおけるストレインを評価する。さらに、負荷時―安静時心筋血流MRIから冠血流予備能を定量的に評価し、心臓超音波画像解析(スペックルトラッキング)との比較検討を行うとともに、遅延造影MRIやMOLLI法による心筋細胞外液分画、心筋線維化の分布との比較を行い、ストレインによる局所壁運動が心筋血流動態や造影MRIによる心筋線維化のどのような関連を有するか解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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