2013 Fiscal Year Annual Research Report
血管新生阻害薬の多剤併用療法における低侵襲in vivo画像評価法の構築
Project/Area Number |
23591763
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
大田 信一 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (30583637)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 明永 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (00571051)
新田 哲久 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (40324587)
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Keywords | 血管新生阻害薬 / 抗腫瘍効果 |
Research Abstract |
本年度は、①血管新生阻害薬の単剤投与による抗腫瘍効果の追加実験を行い、②これまでの病理標本に対してCD31による免疫染色を行った。 単剤投与による腫瘍体積の増減率は、コントロール:261.3±133.2%、アバスチン:94.6±10.5%、ソラフェニブ:125.0±84.4%、サリドマイド:160.9±63.0%、であり、初年度に行った結果と同様の傾向であった。造影CTによる造影効果変化率は順に77.3±9.9%、68.7±22.4%、113.3±23.6%、97.9±31.3%、血管造影による造影効果変化率は、97.5±46.4%、87.0±26.0%、116.6±26.7%、88.9±18.0%であった。造影CTによる造影効果変化率の傾向が変化し、造影CTや血管造影での造影効果率の変化は、腫瘍の増大率との相関は見いだせなかった。 CD31による血管内皮の免疫染色に関して、腫瘍内血管数を評価したが、前年度に評価した梗塞率とHE染色による腫瘍内血管数の評価と同様、治療群と対照群との間に何ら関係性は見いだせなかった。また腫瘍内に微小な血管内皮の存在も乏しかった。 最終的に血管新生阻害薬の抗腫瘍効果の高さは、アバスチン、ソラフェニブ、サリドマイドの順であった。2剤での併用療法は、単剤で一番効果の高かったアバスチンと他の薬剤との併用で、単剤を上回る効果が得られなかったが、ソラフェニブとサリドマイドとの併用で、もっとも効果が得られる結果となり、相乗効果があると思われた。3剤での併用療法は副作用の大きさが示唆された。抗腫瘍効果を判定する場合、画像でのCT造影効果変化率や血管造影での造影効果変化率は、一定傾向が得られず、指標とはなり得ないことが判明した。また病理評価でも壊死率、腫瘍内血管の程度は、対照群と比較しても差はない結果となった。抗腫瘍効果はゴールデンスタンダードとしている腫瘍サイズの変化を見ることが最も簡便で信頼できると考えられた。
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