2011 Fiscal Year Research-status Report
高磁場装置を用いた高精細MRI画像によるグリオーマの放射線治療支援画像の開発
Project/Area Number |
23591780
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
北島 美香 熊本大学, 医学部附属病院, 准教授 (60305018)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 俊範 熊本大学, 生命科学研究部, 准教授 (40274724)
重松 良典 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (00555766)
牧野 敬史 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (90381011)
坂本 隆吏 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (60404331)
中村 英夫 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (30359963)
白石 慎哉 熊本大学, 生命科学研究部, 助教 (50433008)
大屋 夏生 熊本大学, 生命科学研究部, 教授 (70281095)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 高磁場MRI / グリオーマ |
Research Abstract |
この研究は、高磁場MRI装置を用いて高分能画像にてグリオーマの浸潤範囲を評価し、それらの画像を放射線治療設計画像として応用可能とすることを目的としている。高分能画像として、3D MP RAGE、3D T2強調像(T2WI)、3D FLAIR、拡散テンソル画像、灌流画像を用いる予定である。脳には多数の白質線維や核があり、脳腫瘍治療の際にはそれらと腫瘍、腫瘍浸潤領域の関係把握が重要であり、これらの正常構造が上記の画像でどの程度描出できるか検討する必要がある。今回、拡散異方性を測定することにより白質線維を描出する画像である拡散テンソル画像を参照画像とし、脳幹部微細構造の描出能を3D FLAIR、2D FLAIR、2D T2WIで比較した。[対象と方法]10人のボランティアで3D FLAIR、2D FLAIR、2D T2WIを撮像した。拡散テンソル画像を参照画像とし、皮質脊髄路(CSP)、上小脳脚(SCP)、上小脳脚交叉(DSCP)、中小脳脚(MCP)、中心被蓋路(CTT)、赤核(RN)、黒質(SN)を同定した。次に、視覚的にこれらの信号強度を周囲白質と比較し、低信号、等信号、やや高信号、高信号の4段階で評価した。また、上記評価対象構造と周囲白質の信号強度比を測定した。これらについて各画像間の統計学的有意差を検討した。[結果] RN、SNはいずれの画像でも低信号であった。視覚評価では、CST、SCPおよびDSCP、CTT、MCPは3D FLAIRで他の画像より有意に高信号であった。信号強度比は、CST、DSCP、CTT、MCPは3D FLAIRで他の画像より有意に高かった。SCPの信号強度比は、3D FLAIRと2D FLAIRで有意差を認めた。[結論] 3D FLAIRは2D FLAIRや2D T2WIよりも脳幹の微細構造をよく描出する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
基礎実験として、ファントム実験にて各々の画像のゆがみを検討する予定である。また、現在、放射線治療設計画像にはCTが用いられている。調査の結果、CT、MRIともにゆがみを測定できるファントムが市販されておらず、自作ファントム作成が必要であることが判明した。現在、自作ファントムの内容につき検討中である。そのために当初の計画よりやや遅れて進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
自作ファントム作成を急ぐとともに、画像、特に3D画像におけるシークエンスの最適化を行うための基礎実験を行う予定である。ファントム作成にあたっては、放射線技師やファントム作成の基礎知識を有する者に相談し、適切なファントムが作成できるように努力する。その後、グリオーマを有する患者の術前にMRIを撮像し、術中に組織採取を行い、術前に得られた画像と組織で得られた組織標本で、腫瘍浸潤の広がりを比較する。組織採取にあたっては、術前の脳外科とのカンファレンスにて症例の選択、組織採取部位、方法などを詳細に検討する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ファントム作成費用が必要である。基礎実験が終了後、グリオーマを有する患者の術前にMRIを撮像し、術中に組織採取を行う予定であるが、組織採取にあたって必要なデバイスを購入する。研究成果発表として国内学会、国際学会発表各々の1回の発表を予定する。
|
Research Products
(3 results)