2011 Fiscal Year Research-status Report
3T MRIを用いた聴器画像診断の最適化に関する基礎的・臨床的検討
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23591783
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
小玉 隆男 宮崎大学, 医学部, 准教授 (40153564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 貴徳 宮崎大学, 医学部, 講師 (20315378)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 角磁気共鳴画像(MRI) / 側頭骨 |
Research Abstract |
32ch coilを用いて撮像された側頭骨の画像について,3DFT で撮像された高分解能画像(heavily T2強調画像,T1強調画像,FLAIR)および拡散強調画像 (DWI) を中心に検討した. Heavily T2強調画像としては,CISSやtrue SSFPなどのグラディエントエコー系の撮像法と高速スピンエコー (FSE) 系の撮像法が選択可能である.通常の撮像としては磁化率アーチファクトの影響が少ないFSE系の撮像が好ましいが,聴神経腫瘍などの腫瘍性病変では造影増強効果のみられるtrue SSFPなども有用である.T1強調画像としてもFSE系の撮像法が好ましいが, 1) 造影検査で血流によるアーチファクトがみられる,2) 脳神経のコントラストが乏しいなどの問題点があり,検討の余地がある.3D FLAIR は,内耳迷路の蛋白濃度の変化や淡い造影増強効果を鋭敏に捉えることが可能であるが,強く増強される病変の増強効果に関してはT1強調画像に劣る場合も多く,その適応には注意を要する. DWIとしては, EPI (echo-planar imaging) -DWIについて真珠腫例を中心に検討した.真珠腫診断における有用性はしられているが,磁化率アーチファクトの影響によると思われる偽陰性や偽陽性がみられ,更なる最適化もしくはnon-EPI の撮像法が必要と考えられる.なお,ADCを計測することで偽陰性や偽陽性を減少できることも示された.3D PSIFを用いたDWIでは,磁化率アーチファクト少ない高分解能画像が得られ,解剖学的詳細の評価や他の画像との対応も容易であった.問題点として,ADCなどの定量的解析が困難なことが挙げられる. ファントム実験は現在進行中であり,EPI-DWIの各種パラメータの検討,PSIF-DWI における定量的解析の可能性の検討を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
特注のMRIファントムの納入に時間を要したため,まず臨床的な検討を先行させている.ファントム実験の開始が遅れたために,基礎的な検討が予定よりやや遅れており,そのデータを元に施行する予定の正常被験者を対象とした検討が未着手の状態である.
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Strategy for Future Research Activity |
現時点で行っている拡散強調画像を中心としたファントム実験に加えて,3D T1強調画像およびFLAIR に関する検討を行ってゆく.また,可能な限りnon-EPI DWIなどの新たな撮像法を導入し,ファントム実験,正常被験者における検討を行って,臨床応用を進めてゆく.また,これまでに得られた知見を,関連学会に報告する. なお,今後の研究を進めるに際して,ソフトウェアライセンスの問題が生じる可能性があり,装置メーカーとの交渉を行っている.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
画像解析ソフトとしてAJS Dr.View を購入予定であったが,他の画像解析ソフトがより適切と考えられたため,同ソフトの購入は中止した.本年の4月にはワークステーション用のwindows PC を購入している(¥456,570).また,本研究費から支出すべき学会出張がなく,正常被験者での検討を行っていないために,旅費および人件費・謝金が未使用の状態となっている.これらに関しては,次年度の学会出張旅費および人件費として使用予定である.研究分担者の直接経費(30万円)が未使用であるが,すでにPC の購入予定である. 次年度には,欧州もしくは米国での国際学会発表,国内の学会発表を予定している.
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