2012 Fiscal Year Research-status Report
3T MRIを用いた聴器画像診断の最適化に関する基礎的・臨床的検討
Project/Area Number |
23591783
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
小玉 隆男 宮崎大学, 医学部, 准教授 (40153564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 貴徳 宮崎大学, 医学部, 講師 (20315378)
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Keywords | 磁気共鳴画像(MRI) / 3T / 側頭骨 |
Research Abstract |
昨年度に続き,32ch coilを用いて撮像された側頭骨の画像について, 3D高分解能画像および拡散強調画像 (DWI) を中心に検討した.3D高分解能画像として,refocusing flip angle を可変とする高速スピンエコー法(SPACE)が有用であることが示された.その撮像シーケンスの最適化に関して,ファントム実験による検討を行った.真珠腫の診断におけるDWIの有用性に関しては,従来のecho planar imaging (EPI) を用いた撮像法の問題点を明らかにするとともに,定量的指標である見かけの拡散係数 (ADC) を加味して評価することで診断能が向上することを明らかとした.また,非EPIの3D PSIF を用いたDWI が,EPIを用いたDWI(EPI-DWI)よりも高い診断能を有することを示した. 平成24年9月から,周波数エンコード方向でデータ収集を分割したEPIを用いたDWIが,work-in-progress の撮像法として使用可能となった.従来のEPIと比べて磁化率アーチファクトに伴う歪みの低減と高分解能化が可能と考えられ,ファントム実験,正常ボランティアおよび臨床例での検討を行っている.基礎的検討では,segmentation数を増加させ,parallel imaging の因子を増加させるほど画像の歪み磁化率アーチファクトを低減できることが判明したが,撮像時間の延長や信号・ノイズ比の低下などをもとらすという問題があった.臨床例におけるこれまでの検討でも従来のEPI-DWI と比べて歪みの少ない高分解能の画像が取得可能であるが,1) 撮像時間がやや長い,2) 信号・ノイズ比が低い,3) 3D PSIF と比較すると磁化率アーチファクトの影響が無視できない,などの問題点が認識された.撮像法の最適化に関する今後の検討が必要と思われる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの検討で,3T MRIを用いた側頭骨画像診断の最適化は,3D の高分解能画像やDWIを主体としてある程度明瞭になりつつある.特に,拡散強調画像については,従来のEPI に加えて,3D PSIFやread-out segmented EPI を用いた撮像法を応用し,それぞれの有用性や問題点が明らかになりつつある.ただ,使用装置による制約もあり,非EPIのDWIに関する検討が十分に行えていないのが現状である.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,現在進行中のread-out segmented EPI を用いたDWIに関する臨床的検討を中心に行い,関連学会に報告する.放射線部スタッフの協力をえて,撮像法の最適化や,問題点の改善を図る予定である.さらに,これまで検討してきた研究内容をまとめる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していた画像解析ソフトの購入をワークステーション用のwindows PCに変更したため,その差額などが繰り越されている.これまでの研究結果に対する統計学的処理を行うために,医用統計のソフトウェアが必要となったため,適当なソフトウェアを購入予定である.現時点ではIBMのSPSS Statistics メディカルモデルを購入予定であり,50万円程度になるものと思われる.また,これまでに購入したPC に対応する画像解析ソフトの有料version へのupgradeも必要となっている. 本年度の海外学会としては,欧州神経放射線学会への出席と演題発表を予定している.また,研究成果報告書作成費として10万円を使用予定である.
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