2012 Fiscal Year Research-status Report
MRI-QSI法開発によるシーケンス最適化と多面体構造解析の研究
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23591785
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
八木 一夫 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (50201819)
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Keywords | MRI QSI / Mean displacement / Zero-displacement / Kurtosis / MRIシーケンス開発 |
Research Abstract |
MRIの新しいシーケンスとしてq-space imaging (QSI)法を独自開発し,臨床応用するためにQSIシーケンスの最適化を行った。QSIの研究応用として,ヒト脳組織を対象とした全く新しい診断用画像を新たに提示するため、q-space解析画像の設計を行い,Mean displacement(平均変位)画像,Zero-displacement(ゼロ変位)画像,Kurtosis(クオートシス)画像の3種類の画像を新たに開発し構築した。 それぞれの画像の持つ特徴を調査解析し臨床診断に反映させるためファントム,ノーマルボランティア,脳疾患者(梗塞,腫瘍等)を対象にしてそれぞれ画像を取得した。 これらの画像を従来までの拡散強調画像(ディフィージョン)やADCマップ画像等と比較検討し臨床応用のための基礎検討資料とした。 また脳神経走行を微細描画するためにQSIシーケンスを使用した微細領域の構造解析やヒトの脳神経構造に対しての多面体多軸構造解析を実施しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MRIの新しいシーケンスとしてq-space imaging (QSI)法を独自開発し,臨床用MRI装置に設置した。臨床用MRI装置で安全に駆動させるためにシーケンスの最適化を行いバグ等を取り除き安定運用が可能になった。 全く新しい診断用画像を新たに提示し、q-space解析画像の設計を行い,Mean displacement(平均変位)画像,Zero-displacement(ゼロ変位)画像,Kurtosis(クオートシス)画像の3種類の画像を新たに開発し構築した。 それぞれの画像の持つ特徴を調査解析し臨床診断に反映させるためファントム,ノーマルボランティア,脳疾患者(梗塞,腫瘍等)を対象にしてそれぞれ画像を取得した。
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Strategy for Future Research Activity |
MRIーQSI法によるhigh q value(high b value)の値での撮像条件を設定してMean displacement(平均変位)画像,Zero-displacement(ゼロ変位)画像,Kurtosis(クオートシス)画像の3種類の画像の臨床的優位性についてファントム,ノーマルボランティア,脳疾患者(梗塞,腫瘍等)を対象にしてそれぞれ調査し解析する。QSI画像の解析を行うため新たに高速画像計算解析用計算機を購入して高速コンピュータ解析を行う。 それぞれのMRIにおいてQSIシーケンスの最適化を行い、その研究応用として、脳神経走行を微細描画するために多面体多軸解析を実施する.QSIシーケンスの最適化にはノーマルボランテアでのq値(従来のhigh-b値)収集データを二成分別けし関数近似法にてデータ近似する。また、脳の年齢別変化に対応させ各年齢別にq値データを収集しデーターベース化する。データーベース化した計測値はそれぞれの年代のq値データとして近似計算に利用する。標準化には、新たなノーマルボランテアでのQSI法によるq値データ収集を長時間にわたり実測した値と、短い間の短時間計測による信号減衰の度合を基本として、近似計算された信号値と比較することによって、標準化した値の信頼度を判定する。これを繰り返し標準化した値の信頼度を向上させていく。以上を組み合わせソフト化し解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
疾患による脳神経走行の変位や蛇行を正しく描画するため拡散テンソル解析やtractographyにおいて120軸等の多軸多面体解析を新た実施するため高速画像計算解析用計算機を購入する。QSI法に対する装置の制度評価を実施するため、直径12nm程度の孔が配列された内部構造を有する材料をファントム材料として選択し含水率を生体の水分量に匹敵させたPNIPAAm(イソプロピロアクリルアミド)を主成分として複合重合させた高分子ハイドロゲルを合成し、含水率を55~80%として作成する。 関連学会の研究会(q-space研究会)を主催し成果報告する。 研究成果を関連学会に発表し関連学会誌に報告する。 平成24年度は後期の学部入試日とヨーロッパでの関連する国際学会の日程が重なって成果報告の発表として予定していた演題発表を行うことができず、予算の執行にズレが生じたが、平成25年度は国際学会での成果報告発表を行う予定である。
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