2012 Fiscal Year Research-status Report
拡散テンソル法を用いた末梢神経再生に対する非侵襲的診断法の確立にむけた基礎的研究
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23591786
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小田 良 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80516469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 浩芳 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90381962)
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Keywords | 拡散テンソル / 末梢神経 |
Research Abstract |
中動物における拡散テンソル法(以下DTI)を用いた末梢神経損傷および回復過程の評価法を確立することを目的に、家兎の坐骨神経圧挫損傷モデルを用いてDTIで経時的に神経再生過程を評価した。坐骨神経損傷前および損傷後2,4,6,8週をエンドポイントとし、経時的なDTIパラメータの変化を計測し、同時にtoe-spreading reflexを用いた運動機能評価の評価を行った。DTI撮像には7.0T高磁場MR装置を用いた。また、坐骨神経損傷後、上記の各エンドポイントで坐骨神経を採取し、組織学的検討を行った。解析に用いたDTIパラメータは、水分子の拡散のパラメータであるλと、λから算出される拡散異方性の指標であるfractional anithotropy(以下FA)を用いた。 坐骨神経損傷後、FAは低下し、神経軸索に垂直方向の水分子の拡散を示すλ⊥が上昇した。FAの値は軸索数と相関を認めた。また、FAは運動機能評価とも相関を認めた。 これらの実験結果は、過去にラットを用いた研究で得られた結果と同様であり、中動物においてもDTIによる末梢神経損傷および再生過程の評価が可能であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中動物である家兎の坐骨神経損傷モデルの作成が確立し、それを用いてDTIによる末梢神経損傷過程の評価が可能であることを示した。
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Strategy for Future Research Activity |
坐骨神経損傷後の運動機能評価による運動神経再生過程の観察は行うことができたが、感覚神経の回復に関しては未知である。fMRIを用いて感覚神経の再生過程を評価することを検討している。また、DTIの各パラメータと神経組織の微小構造との関連性についてより詳細な検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
家兎の購入、麻酔機材、手術機材の購入を行う。また、神経組織固定や染色に用いる薬品を購入する。また、新規に体表コイルを作成のための費用として使用する予定である。
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