2011 Fiscal Year Research-status Report
肺がん検出向上を目的とした胸部ディジタルトモシンセシスシステムの開発と臨床評価
Project/Area Number |
23591794
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
五味 勉 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (10458747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 徹 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (10197311)
野崎 美和子 獨協医科大学, 医学部, 教授 (30197727)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | X線 / 癌 / トモシンセシス |
Research Abstract |
1.検討内容今年度の検討目的は、胸部ディジタルトモシンセシス像に混入する特異的なRippleを低減させ、微細結節病変の検出向上を図るためにRipple低減を目的とした処理開発・評価を行うことである。Rippleを低減させるための最善策として、画像再構成前の投影データ像をウェーブレット変換によって周波数空間上に変換し、選択的にRipple位置を特定・抽出して低減を行い、肺野内の正常構造や病変構造を維持するための処理システムの開発を行った。Ripple低減処理法の効果を大きく左右するウェーブレット係数についての検討を行う必要性があるため、模擬病変を配置した胸部ファントム(N-1型、京都科学社製)を使用した画像を対象に、最もRipple低減効果が大きく、肺野内の正常構造や模擬病変構造を維持可能な導出ウェーブレット係数の算出を試みた。最適な導出ウェーブレット係数算出にあたっては、Ripple低減処理法の適用前後間で画像コントラスト(CNR)、差分画像の誤差(RMSE)、空間分解能(MTF)を評価した。その結果、空間分解能を保持(正常構造や模擬病変構造を保持)して有効にRipple成分を低減することができる最適な導出ウェーブレット係数を算出することが可能となった。この導出ウェーブレット係数を使用して再構成された画像を使用し、来年度から実施予定の臨床評価に適用させていく予定である。2.意義ウェーブレット変換を利用したRipple低減処理は、Rippleの位置情報を検出し、肺野内の正常構造や病変構造を保持しながら有効にRippleを低減することが可能である。3.重要性胸部ディジタルトモシンセシス像に混入する特異的なRippleを低減させるための処理法は、微細結節病変の検出向上を図るものであり、画像診断の精度向上に寄与できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の検討目標である、胸部ディジタルトモシンセシス像に混入する特異的なRippleを低減させ、微細結節病変の検出向上を図るためにRipple低減を目的とした処理開発・評価に関しては、おおむね研究計画通りに遂行できている。この理由として、研究施行前の予備実験からある程度の進展が予測できていたこと、早期から研究遂行のペースを堅持できたことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の目標であった、正常構造や模擬病変構造を保持して有効にRipple成分を低減することができる最適な導出ウェーブレット係数を算出できたことは意義が大きい。この成果を次年度の臨床評価に適用し、実用化できるよう慎重に評価と検討を重ねていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度以降に施行予定の主要な研究計画として、臨床データを使用した観察者実験がある。次年度の研究費の使用計画として、観察者実験に不可欠な高精細医用画像表示ディスプレイ装置、統計解析ソフトウェア、観察者実験思考に関わる謝礼、国際学会発表出張旅費に充てる予定である。
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Research Products
(3 results)