2012 Fiscal Year Research-status Report
肺がん検出向上を目的とした胸部ディジタルトモシンセシスシステムの開発と臨床評価
Project/Area Number |
23591794
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
五味 勉 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (10458747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 徹 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (10197311)
野崎 美和子 獨協医科大学, 医学部, 教授 (30197727)
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Keywords | 肺がん |
Research Abstract |
1.検討内容: 今年度の検討内容は、昨年度に開発を行った胸部ディジタルトモシンセシス像に混入する特異的なRippleを低減させる処理(以下、Ripple低減処理)について、臨床データに適用し、観察者実験によって有用性を確認することである。観察者実験は獨協医科大学越谷病院で肺がんと診断された37例が対象である。臨床データ収集に関しては、北里大学医療衛生学部および獨協医科大学越谷病院で倫理承認を得ている。比較対象はRipple低減処理を適用したディジタルトモシンセシス像と単純撮影像の病変検出能に統計的な有意差が認められるか否かを検証することである。検証方法は同一症例においてRipple低減処理を適用したディジタルトモシンセシス像と単純撮影像を収集し、呼吸器疾患を専門とする5名の医師によって観察者実験を施行した。今年度は観察者実験を行うための試料作成と実験施行であり、各観察者のスコア値から具体的な解析の施行については最終年度に行う予定である。観察者実験の解析方法は、定量評価で一般的に使用されるreceiver operative characteristic curve (ROC) 解析を用いて病変検出能を統計学的に検定して評価する。また、病変検出能だけでなく、病変検出感度、病変特異度、診断正確度についても算出し、観察者実験結果の総合的な観点から利点、課題点をまとめていく予定である。 2.意義: 臨床データを使用した観察者実験において、Ripple低減処理を適用したディジタルトモシンセシス像は病変検出能を向上させる可能性がある(簡易的なスコア値解析の結果であり、最終年度に定量的な解析を加えて総合的に評価する)。 3.重要性: 胸部画像診断において、Ripple低減処理を使用したディジタルトモシンセシス像は、結節性病変の検出向上を図る可能性があり、画像診断の精度向上に寄与できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の検討目標である、Ripple低減処理を適用したディジタルトモシンセシス像と単純撮影像の臨床評価(観察者実験)に関しては、おおむね研究計画通りに遂行できている。この理由として、平成23年度末から平成24年度始めにかけて、臨床データ収集に向けて実験環境の整備と症例収集の事前準備ができたことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床データを使用した観察者実験において、Ripple低減処理を適用したディジタルトモシンセシス像は病変検出能を向上させる可能性がある。この中間結果は簡易的なスコア値解析であるため、最終年度に定量的な解析を加えて観察者実験結果の総合的な観点から利点、課題点をまとめていく予定。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度施行予定の主要な研究計画として、観察者実験結果の定量解析と本研究の総まとめがある。次年度の研究費の使用計画として、統計解析ソフトウェア(SPSS)と、国際学会発表出張旅費に充てる予定である。
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Research Products
(5 results)